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09月07日-02号

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  1. 中津市議会 2021-09-07
    09月07日-02号


    取得元: 中津市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-03
    令和 3年 9月定例会(第3回)令和3年9月7日 午前10時00分招集出席議員 (23名) 1番 小住利子    2番 恒賀愼太郎    3番 中村詔治    4番 荒木ひろ子 5番 川内八千代   6番 三上英範     7番 松葉民雄    8番 山影智一10番 相良卓紀   11番 木ノ下素信   12番 大内直樹   13番 三重野玉江14番 林秀明    15番 角祥臣     16番 髙野良信   17番 藤野英司18番 中西伸之   19番 吉村尚久    20番 大塚正俊   21番 千木良孝之22番 須賀要子   23番 古江信一    24番 草野修一欠席議員 (1名) 9番 本 田 哲 也地方自治法第121条による出席者(11名)市長         奥塚正典     副市長        前田良猛教育長        粟田英代     参与         滝口定義総務部長       榎本厚      企画観光部長     松尾邦洋福祉部長       上家しのぶ    生活保健部長     勝見明洋商工農林水産部長   大下洋志     教育委員会教育次長  黒永俊弘総務部総務課長    門脇隆二出席した議会事務局職員(3名)局長         中野周幸     次長         神礼次郎議事係主幹(総括)  用松修平議事日程 第1.代表質問     (質問者)     (質問の要旨)  会派 日本共産党  5番 川内 八千代   1.コロナの感染急拡大を抑え、市民の生命を守ることを最優先に     ①検査の拡充     ②子どもの命を守るための取組みを     ③支援策の再開     ④子どもの医療費の高校生まで助成拡大を   2.学校給食費を無料に     ①自校方式への転換を   3.公教育施設の充実   4.公金使い込み事件の責任   5.高齢者福祉と障がい者福祉     ①希望者が入れる施設設置を   6.人権保障とジェンダー平等の中津市へ   7.災害対策   8.第1次産業を中心とする産業振興策   9.DX(デジタルトランスフォーメーション)推進について2つの問題点     ①個人情報保護と中津市の独自性を貫く  会派 新生・市民クラブ  21番 千木良 孝之   1.10年後の中津市の姿をどう描くのか   2.私たちが目指すまち「なかつ」     ①災害に強い安全なまちづくり     ②高齢者福祉と活躍の場づくり     ③教育と福祉のさらなる連携     ④脱炭素社会の実現に向けた取組み     ⑤企業誘致     ⑥観光振興     ⑦商業振興     ⑧持続可能な財政運営  会派 前進  24番 草野 修一   1.中津市総合計画「なかつ安心・元気・未来プラン」について     ①コロナ感染症対策とコロナ禍の先の市政の展望と市民との関係について     ②周辺地域対策について     ③暮らし満足No.1のまち「中津」五つの目標について本日の会議に付した事件 議事日程に同じ ─────────────────────────────────────────────── ○議長(中西伸之)  ただいまより、第3回中津市議会定例会を再開し、本日の会議を開きます。午前10時00分 日程第1、代表質問を行います。 この際、一言申し上げます。 代表質問の実施要項に基づき、時間厳守の上、行ってください。 なお、発言の際には、議長と発した後、許可を受けてから発言してください。 通告により、順次発言を許します。 会派、日本共産党代表川内八千代議員。 ◆5番(川内八千代)  皆さん、おはようございます。ネット中継を御覧の皆さん、おはようございます。日本共産党川内八千代です。日本共産党中津市議団を代表して質問をいたします。 まず、新型コロナ感染対策についてお尋ねいたします。 コロナの感染急拡大が起こっています。多くの国民の「オリンピックを中止してコロナ対策に集中してほしい」という声を聞かず、菅自公政権によるオリンピック・パラリンピックの強行により、国民の中に間違ったメッセージが届けられました。 また、PCR検査を抑制してきたため感染して症状のない人が増えることになった結果、オリンピック前後から新規コロナ感染者が増え続けています。医療がひっ迫し、受けられるはずの医療が受けられない、そんな事態が起こってはならないと思っています。 そこで、8月20日に私たち日本共産党市議団は、抗原検査やPCR検査を公費で広く実施することで感染拡大を抑えるなど、市民の要望を伝えたいと奥塚市長に申入れをしたいと連絡しましたが、市長はこれを拒否しました。 大分市では、同様の申入れを佐藤市長は受け入れています。なぜ奥塚市長はその要望を受けないのでしょうか。お尋ねいたします。 市長の代わりに対応した部長は、「抗原検査は精度が低いから」と発言。ほかの幹部からも同様に「精度が低い」との発言を聞いています。「そういうのならPCR検査を進めるべき」と私たちが検査の拡充を求めますと、「PCR検査をどんどんやって陽性者がいっぱい出たら、誰が診てくれるのですか」と回答がありました。そのことを市民の方に話したら、驚いていました。中津市では陽性者が増えないように検査はやりたくないと、市長以下、幹部はそのような考えで対応しているのでしょうか。お尋ねいたします。それなら、市報やホームページで中津市のコロナ対応の方針として市民に知らせるべきです。 今、大分県では感染が拡大して、特に中津市では感染者が爆発的に増加し、市民の中に大きな不安が広がっています。 そこで、私たち日本共産党市議団は、以下の緊急対策について市長のお考えをお聞きいたします。 1、感染急拡大の原因を調査して、現状の治療情報と感染防止対策を市民に示してほしいと思いますが、市長のお考えをお尋ねいたします。 2、8月22日現在、県の集計では、入院中の方が236人、宿泊療養438人、自宅療養126人、入院待機595人です。感染した方は十分な入院治療ができる態勢を確保して、自宅療養で家族感染にならないように手立てを取ることについてのお考えをお尋ねいたします。 3、緊急事態宣言の福岡県に隣接する中津市で、県と協議して無料でできるPCR検査、抗原検査を実施し、無症状の感染者の早期発見、保護に努めることが必要と考えますが、市長のお考えをお尋ねいたします。 大分市、別府市、宇佐市では、PCR検査抗原検査センターを設置しています。センターで検査キットを無料配布している大分市では、事業所など団体への検査キットの配布が全額市の負担で行われています。宇佐市の抗原検査センターは、宇佐市と宇佐商工会議所が設置。誰でも、中津市民でも、いつでも何度でも無料で受けられます。現在、検査を受ける人が非常に増えているために、毎週1回、宇佐市の抗原検査センターで検査を受けていた中津の保育園の関係の方が、「PCR検査キットを購入しようとしたら、ドラッグストアのほうも品薄になっていて、何軒も回ってやっと購入できた」という話を聞きました。1回分が4,000円もするそうです。センターができるまで検査キットを公費で配布してはどうかと考えますが、市長のお考えはいかがでしょうか。 4、ワクチン検査も急ぐことが必要です。希望する12歳以上の人たちが早く接種できるよう、態勢の強化をすることについて、現在の状況はどこまで進んでいますか。お尋ねいたします。 5、12歳未満の子どもは、ワクチン接種の対象になっていません。中津市でも日々12歳未満の陽性者が増え続けています。保育園、こども園、幼稚園、小学校、学童保育での感染対策を強めることが必要と考えます。マスクもなく、密にもなるし、ワクチンも打てず無防備状態になっているところで、職員自身はワクチン接種が終わっていても、変異株が広がっていますので、冷や冷やして子どもと接して働いています。 また、ここまで感染が広がると、濃厚接触者の範囲が広がり、保護者、保育者、教員の側にも自宅待機する人が増えていまして、職場を休まざるを得ないというケースも続出しているので、その職場のサポート態勢を取ること、また、こうした場合の休業補償をすること、濃厚接触者の周りにいる子どもたちへの検査を公費で行うことなど、子どもの命を守る対策についてどのように考えていますか。市長の考えをお尋ねいたします。 6、感染急拡大に伴い、中津市独自の支援策を再開することや、飲食店以外の事業者、これまで支援を受けられなかった市民にも対象を広げることが必要と思います。市長の考えをお尋ねいたします。 7、国・県の責任で患者急増の実態に対応できる医療体制の確保や国による病床削減法は撤回をして、医療・介護・保育・学童保育に携わる市民の待遇を改善し、人材と態勢の確保及び国に対して持続化給付金家賃支援金の第2弾、第3弾を出す、また、その際、課税の対象にしないことなどを国・県に要求すべきと考えますが、いかがでしょうか。 8、宇佐市では、今年12月分まで学校給食費を無償にしました。豊後高田市では無料になっています。コロナの影響で中津市民の生活は厳しくなっていまして、中津市でも学校給食の無償化に踏み出してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。 次に、子ども医療費の助成について高校生まで拡大をということでお尋ねいたします。 子どもの医療費は、高校生まで助成を拡大すること。豊後高田市は、既に高校生まで無料。宇佐市では、1回500円の負担があるものの、高校生まで医療費の助成を広げ、喜ばれています。 中津市は、若い人たちが「行ってみたい、住んでみたい、帰りたい中津市」を目指しています。子育てしやすい中津市に近づくためにも、子どもの命、周産期から大人になるまで切れ目ない支援をするとうたっています。中津市の高校生が中津市民病院にかかると3割払わなくてはならないけれども、宇佐市の高校生は500円だけという不平等が発生します。 子どもへの医療費の支援を広げたら、重症化を防ぐことができて、市の負担が減ったということは既に実証済みです。子どもの健康と命を守るために必要な医療を受けられる中津市にするために、子どもの医療費助成は高校生まで拡大し、完全無料にしてはどうかと考えます。市長のお考えはいかがでしょうか。 次に、学校給食自校方式への転換などについてお尋ねいたします。 日本の食料自給率は、カロリーベースで37パーセントと驚くような数字です。現在、世界規模での異常気象、コロナパンデミックの発生など、将来にわたって安定的に食料が外国から輸入できるという見込みはありません。主食さえ自給できない民族は滅ぶと言われています。今からでも、せめて子どもたちの給食は地元の食材ですべきと思います。 今、地元の食材利用など、人と人とのつながりや顔の見える学校給食、自校方式が評価されてきています。中津支援学校でも導入して、好評です。地元農業の応援にもなりますし、子どもたちの食育を考えても、学校給食の自校方式を検討するように求めます。市長の考えはいかがでしょうか。 公教育施設の充実についてお尋ねいたします。 教室数やグラウンド、体育館、給食準備室や保健室、トイレ、手洗い場の水栓数など、基準に照らして学校の施設はどうなっているのでしょうか。 北部小学校の例では、全校生徒が250人から500人台に増加。35人学級にしたら教室が不足するのではないでしょうか。グラウンドや体育館が狭く、給食を受け取りに来る児童は順番待ちになっていると聞いています。 また、プール授業はコロナにより2年間やめていますが、それで教育の課題は達成されているのでしょうか。お尋ねいたします。 次に、公金使い込み事件についてお尋ねいたします。 この事件によって、中津市民は1,300万円ものお金を不正使用された被害者なのに、国・県への返還金963万円、さらに弁護士の費用も市民の負担にされて、市民は怒っています。裁判を続けて、回収の見込みはあるのでしょうか。お尋ねいたします。 警察に被害届を出して、刑事事件にすべきではないでしょうか。いまだに被害届を出さないということは、市は被害を受けていないという認識なのですか。今のままなら、市民が責任を取らされているままですが、市執行部はそのように考えているのかお尋ねいたします。 次に、高齢者福祉について。 中津市で住み続けられるためにも、国民年金で入れる高齢者の施設、特別養護老人ホームと介護度1から2の方が利用できる高齢者施設の状況はどうなっているのか。必要なサービスが受けられているでしょうか。実態と対策をお尋ねいたします。 次に、障がい者福祉についてお尋ねいたします。 障がいがあっても住み慣れた中津市で住み続けたいと願う方は、大勢おられます。重度障がいのある方で、支援学校卒業後10年以上経過しているのに、市外の施設に正規に入所ができず、ロングやショートの利用を繰り返している方もいます。市内で障がい者の方が入所できる施設はどうなっていますか。実態と対策を伺います。 次に、憲法を市政に、人権とジェンダー平等についてお尋ねいたします。 人権というと、市は、同和問題をはじめとする人権8課題と言っていますが、私たちは、日本国民にとって最高法規である憲法を実践し、日々の暮らしに生かすことこそ人権の保障だと思います。憲法11条、13条、14条に人権について、99条には公務員の憲法養護義務を規定しています。 憲法を守り尊重し、市行政に憲法を生かしていく課題について伺います。憲法99条の規定を市長はどのように受け止めて、市政に生かそうとされていますか、まず伺います。 次に、憲法15条は、公務員は全体の奉仕者と規定されていますが、そのことを職員にはどのように周知し、日々の業務に生かすことを求めていますでしょうか。国政では、人事権をてこに官邸主導、忖度政治が横行しているので、中津市では絶対にそうしたことがないようにすることが必要です。 公務員が率先してこの条項の理念を実践すれば、あらゆる差別をなくして、個人個人が尊重される社会に近付くはずです。憲法を学ぶことを人権学習の基本に据えるということを考えますが、いかがでしょうか。 そして、日本は、ジェンダーギャップ指数、2020年は121位となっています。中国や韓国以下の完全な後進国です。せめて市設置の審議会・委員会など、政策決定や意思決定の場に多様な意見が反映されるために、男女同数となるようにすべきです。市長の考えをお尋ねいたします。 また、市の職場では、非正規職員が半数を超えています。その七、八割が女性です。必要な人材として働いていると市は説明しています。正規職員として働けるようにすべきだと思います。市長の見解をお尋ねいたします。 次に、災害対策についてお尋ねいたします。 夏の豪雨によって、全国各地で災害が起こっています。気候変動の影響などで、中津もこれからどのような災害が発生するか見通せません。避難所の設置基準と、それを市民に知らせる広報手段、現在はケーブルテレビ、MCA無線、防災ラジオで知らせていますが、先日の大雨では放送がなかったようです。放送の基準はどうなっていますか。 また、避難所の感染対策はどうなっていますか。お尋ねいたします。 次に、第1次産業を中心とする産業振興策についてです。 コロナパンデミックの下での緊急事態と同時に、県下農林水産業も非常事態と言われるような危機的な現状にありますが、市長はこの農林水産業の非常事態と言われるような現状をどのように認識されていますか。お尋ねいたします。 農畜産物の低価格、2020年センサスによる農林家減少率、全国22パーセント、大分県25パーセント、中津市29パーセントです。そして、そのような非常事態に対応するためには、非常事態に陥った原因を明らかにすることが不可欠と考えますが、市長はその原因をどのようにお考えなのかお尋ねいたします。 私たちは、国政では、自動車やカメラなどの工業製品を輸出するために、農畜産物を際限なく輸入し、今や先進国では例のない食料自給率37パーセントにすぎない状態にあること、国の予算も1980年代初頭、農業関係予算が防衛予算を上回っていましたが、今や農業予算は防衛予算の50パーセントを切るようになったことにあると考えています。 新自由主義の考え方の下で、今や国は国民の食糧確保について、生産・流通・供給に責任を負わないという国になってしまったことにあると考えます。この思いは共有できますでしょうか。お尋ねします。 農林水産業の衰退は、減反政策の導入と廃止、食管制度の廃止など、主に国の施策に起因すると考えますが、農業については、中津市としても毎年約5億円の農業振興費を投入して農業振興に取組んできたわけですけれども、それでも5年間に約30パーセントの農林家が減少です。農家が減少しないような農業振興費の予算化が必要と考えますが、市長のお考えを伺います。 小規模な農家からは、「トラクター購入など必要な農機具の購入に全く補助金がない。今使っている機械が使えなくなったら農業をやめざるを得ない」との声が寄せられています。現行の農業者への支援策の規模による制限の実態はどうなっていますか。農業を続けようとしている小規模な農家への支援策を、市として具体化すべきではありませんか。 農機具購入補助金の創設、水路整備や古くなった井堰の改修への補助金拡大など、兼業あるいは小規模農家への支援策の強化が必要と考えますが、市長の考えはいかがでしょうか。 次に、米価の問題です。これまで執行部と、米の生産原価と農家の販売価格について、おおむね生産原価60キログラム当たり2万円、農家の販売価格、高くて1万5,000円と確認してきましたが、改めて15年から20年産米についてお尋ねいたします。 そして、2021年産米は1万円を切るのではないかと心配されていますが、市長の認識はいかがでしょうか。肥料、農薬など生産実費も償えない事態となり、米生産農家は「米を作って飯が食えない」と言っています。政府に対して、過剰な在庫は政府が買い上げ、生活困窮者や学生などへの食糧支援として仕向けること、また、米の消費が減っても毎年77万トンの輸出米を減らすことを求めると同時に、市としても、かつての個別所得補償政策のような支援策を緊急に講じることを求めます。長期的な施策だけでなく、今困っていることに予算を投入することが、農家減少を防ぐために最も効果的ではないでしょうか。お尋ねいたします。 また、相次ぐ豪雨災害は、農地を失わせ、同時に農家の生産意欲をも奪っています。農水省は農地等災害復旧事業で、いわゆる受益者負担を求めていませんが、これまで市長からは、その認識は示されていません。農水省の災害復旧事業に対する受益者負担の認識と、市の災害復旧事業分担金徴収条例7条3項「市長が特別と認める場合は、分担金を減免できる」、これを適用して、少なくとも5年以内に被災した農地等の分担金は減免することを求めますが、市長の考えをお尋ねいたします。 現在は、木材の市況は低下傾向ですが、4月以降のウッドショックと言われる状況は、輸入に頼らず国産材の自給率を高めることの重要性を示したのではないでしょうか。山を生かすには、人と道と言われます。林業従事者の確保と育成を図り、林道・作業道の整備拡充を進めるべきと考えますが、市長の見解を求めます。 同時に、8月の長雨による被害の状況把握と、その復旧の対応について伺います。 最後に、デジタルトランスフォーメーション推進について伺います。 中津市は、他市に先駆けてDX推進監を採用して、行政のDX化を進めるとしています。そして、マイナンバーカードには、金融から健康まで個人情報が一元化されることが検討されています。しかし、個人情報の保護については後回しにされているという、諸外国には見られない状況です。DX推進にあたって、個人情報の保護を市長はどのように取組むお考えなのか伺います。 同時に、当面17の行政事務の統一化が国の方針ですが、地方自治体の自治権の確保について、いかに対応されるのか伺います。これまで市民と市で積み上げてきた市の政策は、続けられるようにすべきではないでしょうか。とりわけ福祉分野については、市町村事情によって負担とサービスに差がありますが、国の方針は、自治体によるカスタマイズ、独自性は認めない方向なので、住民の負担は多いほうに、サービスは低いほうに統一化されるという危惧が言われていますが、そのことに対する市長の見解を伺います。以上で1回目といたします。よろしくお願いいたします。 ○議長(中西伸之)  市長。 ◎市長(奥塚正典)  皆さん、おはようございます。ただいま、日本共産党を代表して川内八千代議員より御質問がございました。お答えをいたします。 初めに、新型コロナ感染対策についてであります。 8月に入っての感染の急拡大は、夏休みやお盆など人流の増大も要因の一つであると考えています。検査陽性者の入院数等の情報につきましては、個人情報保護風評被害防止の観点から全て県が管理をしていまして、市では情報を有していません。 感染防止対策については、これまでも国・県及び市において、さまざまな場面で感染防止の大切さをお伝えいたしています。8月に入ってからは、私から2日、17日、31日の3回にわたりまして、感染拡大防止に向けた市民の皆様へのメッセージの動画を発信いたしました。8月23日には、中津市議会、中津市医師会、中津商工会議所、中津市しもげ商工会とともに、感染拡大防止の取組を確認した上で、それぞれが周知活動に取組むこととし、新型コロナウイルス感染症封じ込めに向けた「中津市民の皆様へのお願い」を発出いたしました。また、感染拡大防止を呼びかけるお知らせを、9月1日号の市報とともに全戸配布をして、感染拡大防止の取組や積極的なワクチン接種をお願いし、ホームページではトップページの中で、特に重要な情報として掲載をいたしています。 次に、感染者の入院治療等の体制については、県において整えられています。さらに、9月1日には、市内に1か所、宿泊療養施設が設けられたところであります。 現在、感染予防や感染拡大防止の観点から、ワクチン接種を最優先に取組んでいます。また、医療機関において、診察に来られた方に必要な検査をしっかり行っていただいています。検査体制についても、中津市医師会とも常に密接に連携しながら協議を行っており、その結果、次の取組を実施することといたしました。 まず、抗原検査キットについて、県から既に学校、保育施設及び高齢者施設等に配布されていますが、市といたしましても、新規感染者が確認された場合に、さらなる感染拡大を防止する観点から、感染者の周囲の人たちに迅速に検査を行うツールとしての検査キットを配布いたします。 感染者が確認された施設や企業、学校等に対し検査キットを配布し、幅広く第一次的なスクリーニング検査を行っていただきます。検査により陽性と判定された人については、医療機関につなぐ体制を整えます。さらに、ワクチン接種が受けられない12歳未満の子どもたちと活動をともにする学校、保育所、こども園、放課後児童クラブ等において感染者が確認されていなくても、県が配布した検査キットの活用と併せ、必要な検査ができるように検査キットを配布する考えであります。これらの実施に向けて、速やかに準備を進めます。 また、現在、宇佐市が設置をしています抗原検査センターについて、仕事等でやむを得ず感染拡大地域との往来がある方などに御利用いただけるよう、費用の一部負担も含めて宇佐市と協議を進めているところであります。 ワクチン接種につきましては、9月5日時点で、16歳以上の方に対し、1回目接種が5万864回で66.9パーセント、2回目接種が4万2,700回で56.2パーセント完了いたしています。なお、この接種実績の中には、ダイハツ九州株式会社の職域接種にて接種を終えた約3,000人と、8月25日から開始された中津商工会議所の約7,000人を対象とした職域接種のうち、接種を終えた約700人を含んでいます。 12歳から15歳の方につきましては、9月1日に接種券を発送し、予約をお受けしています。今後も引き続き中津市医師会及び各医療機関の御協力をいただきながら、ワクチン接種を希望される皆さんへの一日も早い接種に努めます。 また、子どもの感染防止対策につきましては、12歳未満の子どもも含め、市民の皆様には引き続き感染拡大防止のお願いを行ってまいります。検査については、保健所の判断で濃厚接触者だけではなく、必要に応じて接触者の検査が行われています。 次に、保健施設等のサポート体制についてでありますが、子どもの健康・命を守るため、保育士・教職員等へのワクチン接種をいち早く実施し、希望者全員の2回目の接種が8月初めに完了しています。このような対応により、現場からは「接種前に比べて不安が解消された」との声も受けています。 また、運営面や職員の不安、保護者対応などに対する施設からの相談には、昼夜を問わず対応し、全力体制でサポートを行っています。 休業補償については、新型コロナウイルス感染症に関して国が実施をしている企業に対する支援策などの情報提供に努めています。 臨時休園等については、運営費の減額は行っておらず、休ませた職員についても通常時と同水準の人件費を維持するよう、各施設には周知をいたしています。 次に、事業者への支援についてであります。 これまで国・県・市は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、売上げに影響の大きい事業者に対し必要な支援を行ってまいりました。 現在、全国的に第5波が広がり、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が続く中、県においては、飲食店への時短要請協力金や、飲食店の休業・営業時間短縮や外食自粛等の影響により売上げが減少する事業者への事業継続支援金などの支援が打ち出されたところであります。 また、支援策の周知に関しましては、これまでも商工関係団体への協力依頼はもとより、市報やホームページ、公式SNS、地域の情報誌やラジオなど、あらゆる手段を講じてきたところであります。今後もさまざまな手を尽くして、正確な情報をお届けできるよう取組んでまいります。 なお、国では、飲食店の休業・営業時間短縮や外出自粛等の影響により売上げが減少した事業者に、月次支援金を給付しているところでありますが、さらに必要に応じ、地域の実情に合わせたきめ細かな対策について、全国市長会などを通じて国に要望してまいります。 次に、子ども医療費の助成についてであります。 令和元年7月から小・中学生の通院費の医療費助成を始めたところであり、引き続き現在の制度をしっかりと進めてまいります。 次に、高齢者福祉についてであります。 特別養護老人ホームの入所には種々の要件がありますが、要介護1や2であっても、心身の状態や生活環境の状況などやむを得ない事情があれば特例的に入所を認めるなど、安心して生活ができる環境づくりに努めています。 今後は、いつでも適切な介護サービスが受けられる環境を整えながらも、サービス給付と保険料負担のバランスを保ちながら、在宅介護サービスに重点を置いて、介護サービスの基盤整備を進めていきたいと考えています。 そこで、第8期介護保険事業計画では、看護小規模多機能型居宅介護1か所の新設を計画しています。この計画の実施により、看護と介護サービスの一体的な提供が行われ、医療ニーズの高い要介護者への支援の充実が図られます。 このように、支援が必要な高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるよう、それぞれの状況に応じた適切な支援につなげていくよう、地域包括ケアシステムの深化、推進を図ってまいります。 次に、障がい福祉についてであります。 中津市内には二つの障がい者入所施設があり、大分県北部圏域の障がい者支援の拠点的な役割を果たしています。 障がい者への支援につきましては、施設から地域へとの考えの下、障がい者が在宅で生活できる共生社会を目指し、障がい者の就労や生活支援を行っています。 しかし、一方で施設での生活をせざるを得ない方もいますので、今後も障がい者の意向や特性を考慮した上で、障がい者の方が安心して生活ができるよう支援を行ってまいります。 次に、憲法を市政に、人権とジェンダー平等についてであります。 憲法第99条では、公務員等に対し、憲法の目的が十分に達成されるよう、憲法尊重擁護義務を課しています。そのため、職員は採用時に必ず「日本国憲法を尊重し、擁護すること」、この宣誓を行った上で職務を行うこととしています。 日本国憲法の「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の三原則はもとより、宣誓に沿って、引き続き公正な行政サービスの提供に努めてまいります。 また、私たち公務員は、憲法の規定を受けて、地方公務員法においても、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務しなければならないことが規定されています。これは、私たち職員にとって服務の根本基準、そして、当然の義務であり、常に全体の奉仕者として、市民の目線に立ち、住民福祉の向上に努めています。 また、中津市では、女性の社会進出に伴う多様化する新たな課題に対応するため、本年4月に、国際社会の共通課題であるSDGsの理念も取り入れ、今後の施策の方向や内容等を定めた第3次中津市男女共同参画計画を策定したところであります。その中で、各種審議会委員への女性登用数値目標を、令和8年度末で50パーセントに設定いたしました。 本年4月1日現在の審議会等の女性の登用状況は27.8パーセントであり、目標達成に向けて、さらに取組みを進めます。 今後とも男女共同参画社会実現に向けて、市民、各種関係機関・団体、事業者の皆様と課題をともに認識し、連携・協力を図りながら、女性の社会参画を進めてまいります。 次に、職員の雇用につきましては、その職の必要性や求められる職責などを総合的に勘案し、適切な雇用形態を選択していく必要があります。優秀な人材を確保するため、今後も公平・公正な採用選考を行ってまいります。 次に、災害対策についてです。 まず、災害時における避難所の設置基準についてですが、本市では、気象台から発表される気象情報や降雨の見込みなどの情報を総合的に判断し、開設時間と対象地域を決定しています。 8月11日からの豪雨につきましては、土砂災害警報が発表され、降雨が続くとの予報であったことから、三光・本耶馬渓・耶馬溪・山国地域に避難情報を発令し、避難所を開設いたしました。 なお、中津地域においては、短時間に集中した降雨であり、一部では道路冠水なども発生いたしましたが、今回は下流域の河川氾濫などのおそれがなかったことから、避難情報の発令と避難所の開設は行っていません。 このように、地域によって避難情報発令などの対応は異なりますので、放送につきましても地域ごとに必要に応じた対応を取っています。 次に、避難所の感染予防対策についてです。 避難所では、検温・手指消毒・せきエチケットなどはもとより、避難者ごとの間隔確保や、大規模な避難所では、パーティションの設置などにより感染予防対策を講じています。 また、発熱などの体調不良者専用の避難所や、感染した場合に重症化しやすい方を対象とした宿泊施設の避難所利用などの取組を行うとともに、北部保健所と連携し、自宅療養者や濃厚接触者に対する対応についても適切に取組んでいます。 このように、避難所における感染予防対策もしっかり取っていますので、身の危険を感じるような場合は、躊躇することなく避難所を利用していただきたいと考えます。 次に、一次産業を中心とする産業振興策についてであります。 まず、大分県農業非常事態宣言につきましては、令和3年3月に大分県農林水産部農政担当審議官より、大分県内の農業産出額や総農家数の推移、各市町村別の数字等について直接説明を受けました。 それによると、農家数や農業従事者数が減少するとともに、特に大分県では米の栽培が中心であり、園芸品目への転換が立ち遅れていることなどから、農業産出額が減少をしています。 また、農業産出額が伸びている地域は、畑地化による園芸品目の導入や畜産業への取組が積極的に行われています。中津市においても同じようなことだと考えられます。 次に、農業振興費の増額についてです。 これまでも国・県の事業を積極的に活用し、営農組合の法人化の推進をはじめ、施設園芸の導入、酪農の経営安定に向けた下郷農協の飲むヨーグルト工場や、もぎたてファクトリーによる業務用加工施設の設置への支援など、高収益の農業経営確立を進めてきました。さらには、市独自の支援事業にも取組んできました。 市の農家数は、この5年間で2,082戸から1,483戸へと減少しています。農家数の減少につきましては、過疎、高齢化による離農や後継者不足による影響が大きいと考えています。また、集落営農や担い手の規模拡大による農地集積が進んだことも一因となっていると考えています。 今後も地域農業者の声を聞きながら、予算確保に努めるとともに、国・県の政策支援メニューを活用することで、地域農業基盤を維持し、農業振興に努めてまいります。 次に、小規模農家への支援策についてであります。 日本型直接支払制度を活用した地域農業者共同作業による支援はもとより、安心して農業経営を続けてもらうために、公益社団法人農業公社やまくにを主体とした地域農業経営サポート機構により、集落営農、担い手支援や市内全域での農作業受託体制の整備を進めているところです。 そのほかにも、条件不利地域での小規模農家共同の機械導入に対する支援や、野菜等の作付拡大に向けた地域振興作物支援、畜産における増頭支援、用水路関係の井堰や水路改修など、地域の農業形態に応じた各種支援を行っているところです。 次に、米の価格についてです。 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、米の消費が落ち込み、特にレストランなどの飲食店での業務用を中心に需要が落ち込んでいると伺っています。 2021年産の米の価格については、全国的に昨年より1割から2割下落するのではないかと言われています。 今後も米の価格の動向に注視するとともに、引き続き国の経営所得安定対策事業等による取組みを進めてまいります。 次に、災害復旧についてであります。 農地等の災害復旧事業は、農業生産の維持と農家経営及び民生の安定のために重要な施策であり、現在、国の補助制度の活用はもとより、小規模災害復旧工事補助金やその他市単独事業により、早期復旧に向け取組んでいるところです。 国が定める復旧支援に関する法律については、国が補助する範囲や補助率などを定めています。 一方、受益者負担制度は、本来、その利用者が公共事業から受ける利益に応じて、その事業費の一部を負担するという制度であり、地方自治法に基づき、それぞれの地方自治体が農地等災害復旧事業分担金徴収条例を制定しています。 このことから、国の復旧支援制度と受益者負担制度は、それぞれの法令に基づき執行されるものであると考えています。 個人の財産である農地への7条3項の適用につきましては、これまでも繰り返し御答弁していますように、法に基づき応分の負担をしていただくことが制度の基本的な考え方でありますので、その全額を公費で賄うことは適切でないと考えています。 中津市としても、災害復旧における被災者の負担軽減については、条例の一部改正を行い、県内でも最高水準の軽減内容にしているところであります。 次に、林業についてです。 森林の公益的機能を十分に発揮させ、林業の持続的な発展につなげていくには、間伐等の森林の適正な管理を行うとともに、伐期を迎えた森林については、切って、使って、植えて、また育てることにより、森林資源の循環利用を進めていくことが大切です。加えて、林業の担い手の確保・育成が必要であり、市では、林業従事者に安全対策用品の購入補助や林業資格取得に対する補助、福利厚生についての支援を行っています。 森林の適正な管理のためには、林業施業の省力化につながる林道等の路網の整備・維持管理を行う必要があります。林道については、中津市林道施設長寿命化計画を策定し、施設の損傷が顕在化する前に計画的な保全に取組んでいます。また、森林作業道については、公共造林事業に市独自の上乗せ補助を行うなど、整備の促進に努めています。 今回の台風9号及び8月豪雨災害では、林道等については、現時点で五十数件の被害報告を受けています。大規模な被害はなく、土砂流入、路面洗堀、路肩の崩壊等の被害が出ています。早期の復旧に向け取組んでいるところであります。 次に、DXデジタルトランスフォーメーション推進についてです。 まず、個人情報の保護につきましては、中津市情報セキュリティポリシー及び関係法令に基づき、適切に管理しています。 今後、デジタル技術を活用した市民サービスはますます拡充され、利便性も向上してまいります。こうしたサービスを市民の皆様が便利に安心して利用できるよう、個人情報の保護に努めながら、行政のデジタル化を進めてまいります。 次に、システム標準化による中津市の独自性の確保についてであります。 国が定めました自治体情報システムの標準化・共通化による手順書におきまして、ITコストの削減、事務の効率化、行政手続サービスの向上などが取組効果として挙げられています。 システムの標準化は、こうした自治体の将来的な人的・財政的負担の軽減や住民の利便性の向上に資するものであります。また、標準化されるのは全国で共通する部分のシステムであり、法令の範囲内で実施している各市町村独自の取組みが制限されるものではありません。 なお、教育委員会に関する質問につきましては、教育長より答弁をいたします。 ○議長(中西伸之)  教育長。 ◎教育長(粟田英代)  続きまして、教育委員会に関する御質問についてお答え申し上げます。 まず、給食費無償化についてです。 学校給食費の法的根拠は、学校給食法第11条において、「施設・設備及び運営経費は自治体が負担、食材費は保護者の負担」と定められています。 給食費を無償化するにおいては、法の趣旨に沿った上で、今後も市政全般を見据えた適正な判断が求められると考えます。 要保護・準要保護世帯への措置は行っていること、また、子どもがいないなどの対象世帯間などの公平性の議論もあることなどを総合的に勘案し、今後も適正な保護者負担の下で、良質な内容の学校給食の提供に努めてまいりたいと考えています。 次に、学校給食の自校調理方式への転換についてです。 自校調理方式への転換については、さまざまな観点から考えなければならない問題だと捉えています。 まず、児童、生徒への食育の観点からですが、現在でも幼稚園、小・中学校では、栄養教諭・学校栄養職員による食育指導を、給食時間に限らず、学級活動や家庭科の授業等でも行っています。また、生産者への取材を反映させた配布物、展示資料等での食育も併せて行っているところです。 次に、地域産業振興策の観点から、地域産業振興と食育の両面にメリットのある地元産食材の使用について、2004年より「学校給食1日まるごと大分県」、2010年より「ふるさと給食の日」等の取組みを通じて推進をしています。 次に、食材価格の観点から自校方式を考えますと、一括購入できる共同調理場方式に比べ割高になり、また、設備面の投資も発生いたします。 加えて、雇用の観点では、現在、旧下毛地域の調理員・配送員は募集しても人の確保が難しい状況となっており、実際に自校方式に転換した場合は、さらに人数が必要となり、現実的には難しい状況です。 以上を総合的に勘案し、中津市では共同調理場方式による給食事業を選択しており、今後も継続していく方針です。 次に、教育施設についてです。 小・中学校の施設は、文部科学省が定めた小学校設置基準、中学校設置基準に則って建設されており、中津市においても、その基準を順守した施設となっています。 設置基準の中で面積基準が定められているものは、校舎及び屋外運動場です。面積などの基準はありませんが、校舎に備えるべき施設として、教室、図書室、保健室、職員室が定められています。配膳室、トイレ、手洗い場などのその他の施設においては、「指導上、保健衛生上、安全上及び管理上適切なものでなければならない」と定められています。 北部小学校では、現段階における35人学級移行後の見込みにおいて、令和8年4月時点で学校の普通教室数に対して、1教室が不足すると見込まれます。 これまでも不足が生じた場合には、余裕教室の活用や仮設校舎で対応してきましたが、今後も児童数の推移を注視しつつ、将来にわたり不足教室が継続的に生じることが想定される場合には、今後の学校運営、レイアウト、国の制度や方針、現有施設の有効活用など総合的に勘案して、学校現場とよく協議しながら対応したいと考えています。 また、学校の実態についてですが、学校訪問や校長会議等を通じて、状況把握に努めています。把握した学校の実態に応じて、学校現場と協議しながら施設の改善に努めています。 次に、プール授業についてです。 水泳については、学習指導要領で小・中学校の各学年で取り扱う内容が定められています。その内容の取扱いについては、小学校では「適切な水泳場の確保が困難な場合にはこれを扱わないことができるが、これらの心得については必ず取り上げること」、中学校では「適切な水泳場の確保が困難な場合にはこれを扱わないことができるが、水泳の事故防止に関する心得については必ず取り上げること。また、保健分野の応急手当との関連を図ること」と明記されています。 中津市では、昨年度、今年度と新型コロナウイルスの影響により水泳の授業が中止となる中、水の事故防止に係る参考資料「子どもたちを水難事故から守ろう」を作成し、各学校での安全指導及び事故防止の指導を行ってまいりました。また、スポーツ庁からの「水泳等の事故防止について」の通知文及び参考資料を基に、各学校において水難事故の防止について学習をしてきました。 学習指導要領には「水泳についての内容を取り扱わないことができる」と記されているため、水泳の学習内容について未履修の扱いになることはありません。しかし、来年度プール授業が再開するときには、各学年の水泳の学習経験に合わせて、指導内容に配慮する必要があると考えています。 次に、元市職員による補助金不正受給についてです。 1点目の回収の見込みについてですが、平成31年2月8日の臨時議会において、訴えの提起の議決を得た後、元市職員に対し損害賠償の催告書を発送しましたが、納付期限までに納付がなかったため、3月29日に大分地方裁判所中津支部に損害賠償請求の提訴をし、これまで口頭弁論1回、双方が意見や主張を述べ合う弁論準備手続を9回重ねてきているところであります。 これまでも申し上げていますが、市として取り得る手段は全て取り、早期解決に向け全力で取組んでいるところです。 2点目の警察への被害届についてですが、平成31年2月1日に中津警察署へ元市職員を被告人として、詐欺罪及び有印私文書偽造、同行使罪で厳罰に処することを求め、刑事告訴状を提出いたしました。 その後、警察により調査や検討が進められてきましたが、起訴に至るための証拠が足りないということにより、告訴状の受理に至りませんでした。 その後の対応について、弁護士と慎重に相談した結果、今の形での刑事告訴ではなく、民事訴訟、退職手当返納請求訴訟により争うこととしました。 今後、民事裁判の状況により新たな事実が認められれば、弁護士ともよく相談して、改めて対応を考えてまいります。 3点目の責任についてですが、今回の不法行為は元市職員が行ったものであり、市に損害を与えたのは元市職員であります。今回の賠償補填は元市職員がすべきであり、市として事件解決に向け、弁護士とも協議しながら、きちんと調査すべきところは調査して、資料として提出するべきものは提出し、裁判において、市側の主張をしっかり述べてまいります。これまでも、市に損害が出ないよう、市として全力で取組んでまいりました。今後も同様のスタンスで臨んでまいりたいと思います。教育委員会からは以上でございます。 ○議長(中西伸之)  川内議員。 ◆5番(川内八千代)  それでは、再質問を行いたいと思います。 最初に、コロナの感染急拡大を抑えて、市民の命を守ることを最優先にということでお尋ねいたします。 一つは、私たち日本共産党市議団の申入れに対して、市長が受けないというのはなぜですかということを最初にお尋ねしているのですけれども、これは答弁に入っていませんので、再度お尋ねします。2回目は部長が答弁されるようですけれども、私は市長に聞きたいと思います。 中津市民の間での感染急拡大が起こっていまして、感染爆発という状況です。市民が自分たちのごく身近なところで感染者が出たとか、濃厚接触者になるかもしれない、病院で治療を受けられるのか、ワクチンを受けられない子どもは保育園や学校を休ましたほうがいいのではないか、子どもが休むなら親も仕事を休まなければならない、そうなると収入が減ってしまうなど、本当に市民の人たちは悩んだり、不安を持ったり、危機感を持って生活をしています。 しかし、市長から、そうした市民の持つ不安や悩みや危機感に対応するメッセージも伝わってまいりませんし、施策も漁業者への800万円の補助以外、何ら発表されていません。そういうことを市民は口々に訴えています。市民の置かれた状況に対する危機感を持っているのかどうか、お尋ねしたいと思います。 2番目に、PCR検査と抗原検査についてです。 検査を広げて無症状の感染者を見付けて、保護して拡大を抑えるという施策に、多くの自治体が踏み出しているところです。政府設置の専門家の皆さんも、検査を徹底すべきと報告をしています。 しかし、中津市は、陽性者が増えないように検査はやりたくないと考えているのかどうか、お尋ねしたいと思います。 それから、県の配布した検査キットですけれども、これの活用は把握されているでしょうか。お尋ねしたいと思います。 答弁では、一人でも陽性者が出たところは、スクリーニング検査をするというお答えありましたけれども、その時期はいつになるのかお尋ねしたいと思います。施設や企業、学校、保育園、学童保育などの利用者と、その家族も含めて全員検査の対象とすべきと考えますが、どうでしょうか。お尋ねいたします。 宇佐市の抗原検査センターは、今でも誰でも何度でも無料で検査を受けられるところです。私の周りでも、ほかの議員の方や保育所関係者など、多くの方が検査を受けています。 しかし、答弁では、仕事でやむを得ず感染拡大地域との往来がある方などに利用していただけるよう、費用の一部負担を含めて宇佐市と協議を進めているとありますけれども、これで希望者は今までどおり無料で受けられるのかどうかお尋ねしたいと思います。一部負担金というのは、中津市が市民の検査料金を負担したいというのなら、1か月分とかを集計して宇佐市に支払いをするというのが合理的であり、検査の受けやすさも確保できるのではないでしょうか。お尋ねいたします。 それから、事業者への支援策ですけれども、市独自の支援策を、漁業者に続いて、被害を受けている農業者を含む一般事業者にも広げるようにということでお尋ねしています。今後の議会の中で、こうした支援策が提案されるのかどうかお尋ねしたいと思います。 次に、学校給食無料化のことでお尋ねします。 コロナ禍で経済的に厳しい家庭が増えているのです。市内の中小企業で働いている人たちも、「残業が全くなくなった」と。「正社員だけれど給料が10万円程度になった」とか、「派遣で働いていたけれども、今までの派遣先が雇い止めになり、新しい派遣先になったけれども、収入が減ってしまった」、こうした声が寄せられています。保護者の方から「宇佐市は給食費も無料になったし、医療費も高校生まで助成するとなっています。中津はどうしてならないの」と聞かれます。豊後高田市や宇佐市に続いて、中津市でもぜひ給食費の無料について踏み出して、子育て世代を応援すべきと考えます。再度お尋ねいたします。 次に、公金使い込み事件の責任について、もう一度お尋ねいたします。 被害届を出さないということは、市として1,300万円もの公金が使い込まれて、そのうち、国・県から返せと言われて、963万円を市民の税金で払っています。これで市は被害を受けていないという認識なのかどうか、もう一度お尋ねしたいと思います。 次に、災害対策です。 災害による被害を復旧するのに受益者負担でと市長は言っていますけれども、災害で被災した市民は何の利益を受けているというのでしょうか。利益は受けていない。被災しているのです。災害を受けているのです。だから、国は受益者負担を求めていないということではないのでしょうか。市長は、こうした国の考えに沿った施策を取るべきではないかと思いますが、その点についてもう一度お尋ねいたします。 次に、第1次産業を中心とする産業振興策についてお尋ねします。 農家減少を防ぐためには、市が進める畑地化や、あるいは、大規模化などへの補助だけでは限界があります。市内農業の中心である米作り農家、ここへの支援強化が必要だと考えますので、市長の考えをもう一度お尋ねいたします。 そして、デジタルトランスフォーメーション推進についてお尋ねいたします。 つい先日も新聞で、国が設置したデジタル庁のデジタル監の人による著作権侵害事件が報道されていました。個人情報の漏えいに対する危機管理の責任の所在と、このような事故が起こったときは、責任は誰がどのように取るのかについて、考えをお尋ねしたいと思います。以上、再質問といたします。 ○議長(中西伸之)  生活保健部長。 ◎生活保健部長(勝見明洋)  それでは、1点目のコロナの感染急拡大を迎え、市民の生命を守ることを最優先にという項目から御答弁申し上げます。 まず、申入れに対して受けないのはなぜかという御質問でございましたが、申入れについては、市長の代理として担当部長である私がお受けをしたものであり、市としてお受けをしたことに何ら変わりはありません。 次に、感染者が爆発的に増えている中で、市民の不安が高まる中、危機感があるのかという御質問でしたが、新型コロナウイルスの感染予防や感染拡大防止については、これまでも最優先に取組んできたところであります。特に8月に入ってからは、市長から2日、17日、31日の3回にわたり、感染拡大防止に向けた市民の皆様へのメッセージ動画を発信、8月23日には、中津市議会、中津市医師会、中津商工会議所、中津市しもげ商工会とともに感染拡大防止の取組を確認した上で、それぞれが周知活動に取組むこととし、新型コロナウイルス感染症封じ込めに向けた中津市民の皆様へのお願いを発出いたしました。 また、感染拡大防止を呼びかけるお知らせを、9月1日号の市報とともに全戸に配布をして、感染拡大防止の取組や積極的なワクチン接種をお願いし、ホームページではトップページの中で、特に重要な情報として掲載をしています。 また、中津市では、ワクチンの集団接種を医師会や医療機関の方々の全面的な御協力の下、県内で最も早い令和3年5月1日から開始をいたしました。これは、感染予防や感染拡大防止に向けて一日も早くワクチン接種を始めようと、医師、医療機関、医療関係者及び中津市が新型コロナへの強い危機感を共有して、一体となって臨んだことによるものであります。8月25日からは、歯科医の先生方、薬剤師の方々の御協力もいただき、中津商工会議所による職域接種も始まったことで、さらに接種スピードが上がっています。引き続きワクチン接種を最優先に取組んでまいります。 次に、陽性者が増えないように検査をやりたくないと考えているのかという御質問でした。 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症病原体検査の指針の中において、抗原検査キットは、無症状者に対しては、検査制度の問題から、確定診断としての使用は推奨されていません。検査キットの活用にあたっては、検査によって陽性と判定された方を医療機関へしっかりとつなぐ仕組みづくりが重要であると考えています。 次に、県が配布した検査キットの活用の把握はということでありますが、県は、保育所等の児童福祉施設、高齢者施設、障がい者施設、小・中学校等に対し抗原検査キットを配布しています。今後、市が検査キットを配布することから、使用にあたっての目安等をしっかりと周知し、活用を図っていきたいと考えています。 次に、検査キットの活用は具体的にどうするのかということと、実施時期はいつからということでありました。 抗原検査キットについては、中津市医師会とも協議を行い、感染者が確認された施設や企業等において、幅広く第一次的なスクリーニング検査を行うために活用をします。検査により陽性と判定された人については、確実に医療機関で診察を受ける体制を整えます。 また、ワクチン接種を受けられない12歳未満の子どもたちと活動をともにする学校、保育所、こども園、放課後児童クラブ等において、県が配布した検査キットの活用と併せ、必要な検査ができるように検査キットを配布する考えです。実施に向けて速やかに準備を進めます。 次に、スクリーニングの検査を広くする考えはということでございます。 施設・企業等において感染者が確認をされた場合に、保健所による濃厚接触者等の疫学調査が行われ、それによる適切な行政検査が実施をされます。市が配布をする抗原検査キットによる迅速検査は、まさにそれを補完しながら、幅広く第一次的なスクリーニング検査が実施されるように取組みます。 宇佐市抗原センターは、今までどおり中津市民も無料で検査を受けられるのかという御質問については、現在、宇佐市が設置をしています抗原検査センターについては、仕事等でやむを得ず感染拡大地域との往来がある方などに御利用をいただけるよう、費用の一部負担も含めて宇佐市と協議を進めているところであります。引き続き市民の方には無料で検査が受けられるようにする考えであります。 なお、抗原検査の結果がたとえ陰性であっても、感染防止の取組を引き続き行っていただくよう周知をしてまいります。私からは以上です。 ○議長(中西伸之)  商工農林水産部長。 ◎商工農林水産部長(大下洋志)  事業者に対する市独自の支援についてでございますが、今後、国・県の動向や感染状況も注視しながら、必要な施策に取組んでまいります。以上です。 ○議長(中西伸之)  教育委員会教育次長。 ◎教委・教育次長(黒永俊弘)  コロナ禍で厳しい家庭が増えており、無償化が必要だと思うが、どう考えているのかという御質問ですが、繰り返しの答弁となりますが、学校給食費の法的根拠は、学校給食法第11条において「施設設備及び運営経費は自治体が負担、食材費は保護者の負担」と定められています。給食費を無償化するにおいては、法の趣旨に沿った上で、今後も市政全般を見据えた適正な判断が求められると考えています。 要保護・準要保護世帯への措置は行っていること、また、子どもがいないなどの対象世帯間などの公平性の議論もあることなどを総合的に勘案し、今後も適正な保護者負担の下で、良質な内容の学校給食の提供に努めてまいりたいと考えています。 続きまして、被害届を出さないことということは、市は被害を受けていないという認識かということについてでございますが、これまでも繰り返し御答弁申し上げてまいりましたように、今回の不法行為は、元市職員が行ったものであり、市に損害を与えたのは元市職員であります。その基本的なスタンスの下、刑事告訴状を提出し、警察により調査や検討が進められてきましたが、起訴に至るための証拠が足りないということにより、告訴状での受理に至りませんでした。 その後の対応につきまして、弁護士と慎重に相談した結果、今の形での刑事告訴ではなく、民事訴訟と退職手当返納請求訴訟により争っています。 今回の賠償補填は、元市職員がすべきであり、市として事件解決に向け取り得る手段は全て取り、引き続き全力で取組んでまいります。以上です。 ○議長(中西伸之)  商工農林水産部長。 ◎商工農林水産部長(大下洋志)  災害対策の受益者負担についてでございますが、これは地方自治法に基づく制度でございまして、個人財産である農地は、法による受益者負担の原則に基づき、応分の負担をしていただくことが制度の基本的な考え方でございますので、その全額を公費で賄うことは適切ではないと考えています。 大分県内の他市町村の状況を見ましても、姫島村を除く全ての自治体が分担金徴収条例を定めており、その中でも中津市は最も低い負担額となっています。 今後とも関係法令を遵守し、早期復旧に向け取組んでいきたいと考えています。 次に、米作り農家への支援についてでございます。 米農家に対しては、水田の経営所得安定対策事業や日本型直接支払制度を活用した地域農業者の共同作業に対する支援を行うとともに、安心して農業経営を続けてもらうため、公益社団法人農業公社やまくにを主体とした地域農業経営サポート機構による市内全域での農作業受託体制の整備に力を入れていきます。以上です。 ○議長(中西伸之)  総務部長。 ◎総務部長(榎本厚)  私のほうから、個人情報の漏えいに対する危機管理と責任を誰が取るのかという御質問に対して御答弁申し上げます。 先ほども御答弁いたしましたように、個人情報の保護につきましては、中津市情報セキュリティポリシー及び関連法令に基づきに、適切に管理をしています。 なお、中津市情報セキュリティポリシーには、物理的・人的・技術的セキュリティ対策のほか、通常時及び緊急時の運用について、それぞれ細かく規定もしています。 繰り返しになりますが、デジタル技術を活用した市民サービスは、ますます拡充され、利便性も向上してまいります。こうしたサービスを市民の皆様が便利に安心して利用できるよう、個人情報の保護に努めながら、行政のデジタル化を進めてまいります。以上です。 ○議長(中西伸之)  川内議員、終わります。
    ◆5番(川内八千代)  質問とかみ合っていない答弁でしたので、そのことを言って終わります。 ○議長(中西伸之)  ただいまより、3分間の「健康増進スタンドアップ中津」を行います。皆さん、立ち上がり、ストレッチなどをして体をほぐしてください。 暫時休憩します。午前11時20分 ○議長(中西伸之)  再開します。午前11時24分 会派、新生・市民クラブ代表、千木良孝之議員。 ◆21番(千木良孝之)  新生・市民クラブ、千木良孝之です。会派を代表して、代表質問をいたします。 今、日本が、これまで経験のない最大の感染拡大、第5波に直面しています。県内でも、感染力が格段に強く、感染スピードも速いデルタ株により感染が急拡大しています。ワクチン効果により高齢者の感染が大きく減少しましたが、一方、期待されたワクチン接種は、中津方式により順調に進んでいるものの、乳幼児や児童、生徒を含め若い世代に新型コロナウイルスの感染が拡大し、収束が見えず、不安を覚えている市民も多いことと思います。今後のワクチン接種のさらなる推進や医療体制の確保、そして、新型コロナウイルス感染による影響を受けている方々への支援の充実を求めるところです。 それでは、最初に、10年後の中津市の姿をどう描くのかについてお伺いいたします。 第5次中津市総合計画である「なかつ安心・元気・未来プラン2017」策定後、中間の年である5年が経過しました。安心づくり、元気づくり、未来づくり、そして、参加・連携・結集について基本計画を掲げ、取組を進めてきたかと思いますが、その中で、将来都市像について、「地域の元気や、そこに暮らす人たちの満足度を下げないための仕組みづくりが必要です。そのため、暮らし満足No.1のまち中津とします」とあります。想定外の新型コロナ感染症の感染爆発も発生し、情勢も激変していますが、5年が経過する中で、このことについてどのように評価しているのでしょうか。 これから中津市を考えるとき、誰にとっても優しく、温かいまちづくり、地域づくりが一つのキーワードだと思います。だからこそ、以前、新聞に「いってきます、中津」「ただいま、中津」という、中津駅ホームでの撮影された二人の若者が登場する中津市の広報が出されましたが、あえて言えば、「おかえり」と迎えるまちづくり、地域づくりが重要ではないでしょうか。また、目標に掲げる暮らし満足No.1のまち中津を目指すとき、未来の将来像を描いた上で、さまざまな力を結集するということが大切なのではないかと考えます。 そこで、市長は、10年後、どんな中津市の姿を描いているのでしょうか。ありたいまちの姿はどのようなものなのでしょうか。さらに言えば、中津市にどんな夢や希望を持っているのかお伺いいたします。 また、この中津市には、さまざまな考え、立場、価値観の住民がいるわけで、追及する幸福や何をもって暮らし満足というのかは差異があり、限られた財政の中で、全ての住民が納得するということは非常に困難なことだと言えますが、だからこそ市長や行政主導の施策の行政だけでなく、例えば、地域福祉活動計画のように、住民が議論をして、その方向性を見いだすワークショップなどを取り入れた住民参加型の計画づくり、地域づくりが大切なのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 次に、私たちが目指すまち「なかつ」について、具体的にお伺いいたします。 まず、災害に強い安全なまちづくりについてです。 昨年から新型コロナウイルス感染症の拡大の中で、幾つかの課題が浮き彫りとなっています。 第1に、避難所の開設場とスペースの確保の問題です。 昨年7月の大雨により、南部校区、北部校区、豊田校区、沖代校区、小楠校区、鶴居校区の2万2,310世帯4万5,506人に避難準備・高齢者等避難開始を発令し、中津地域の浸水想定区域外の6施設を避難所として開設しました。一人当たり4平方メートルで計算すると、収容可能人数は1,083人と答弁がありました。私は防災士認定講習で、避難の際には、原則として徒歩や自転車でと学びましたが、避難所が設置されない校区の住民にとって、避難を行うための交通手段の確保が急務と考えますが、市としてどのような手段で避難を想定しているのかお伺いいたします。 また、避難対象人員が4万5,506人に対し、避難所では1,083人しか収容できない現状は、早急に改善しなければなりません。そもそも論ですが、4万5,000人が避難所に避難することは不可能と考えますが、いかがでしょうか。 昨年4月に改訂した防災マップにおける浸水シミュレーションに基づき、浸水被害の発生する地区内には避難所を設置しないという方針は机上の理論で、2万世帯を超える市民が自宅の2階に垂直避難した場合の救護の困難さを鑑みれば、3階以上の学校や公共施設を避難所として開設すべきと考えますが、いかがでしょうか。 避難場所の第1は浸水被害の想定のない避難所、第2に車中泊可能な駐車場、第3に浸水想定区域内の公共施設、逃げ遅れた場合は自宅等の垂直避難など、現実的な避難の在り方を市民に示す必要があると考えますが、いかがでしょうか。 これらの点が整理されなければ、各自主防災組織はハザードマップの作成や避難ルートの設定、避難訓練等の実施が不可能と考えますが、いかがでしょうか。 次に、高齢者福祉と活躍の場づくりについてです。 中津市の高齢者率は30.2パーセントに達し、上昇傾向にあります。昨年から新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、高齢者の活躍する場づくりとしてのサロン活動、体操教室、ボランティア活動、地域の集まりもなくなり、人に会えないことで認知症や運動不足による機能低下が大変危惧されるなど、高齢者を取り巻く環境は厳しくなっています。このような現状を踏まえ、総合計画の高齢者福祉の主要なる施策の成果と課題についてお伺いいたします。 今後は、介護予防施策やサービス利用削減のための健康寿命促進の取組が大変重要となります。中津市第8期介護保険事業計画のニーズ調査結果にみる高齢者等の状況によると、60代以上の収入割合は減少傾向にある中で、全国的に介護保険料は2021年4月から介護報酬0.7パーセント値上がりし、さらに、新型コロナ対策費として半年はさらに0.1パーセント上乗せされ、中津市の保険料も値上げが行われました。第8期介護保険事業計画では、今後も介護利用人数の増加や施設利用などサービス利用が増えることにより、さらなる値上げの推計が出されています。 しかし、現行の介護予防事業は、週一体操教室が重点施策となっていますが、もっと効果的な施策の展開をしていかなければなりません。先ほどの高齢者等の状況によると、70代女性は体調が許すならボランティアを希望し、70代の男性は就労をしたいということが分かりました。しかし、現状では、ボランティアや就労の情報提供が十分とは言えません。 当市においても、10年後の介護保険料の上昇を抑制するために、市民意識調査データにより詳細に分析し、高齢者の健康寿命延伸のための将来ビジョンを描き、高齢者の活躍の場づくりを中心に据えた実践的かつ効果的な施策を実施するべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、教育と福祉のさらなる連携についてです。 21世紀を担う子どもたちは、グローバル社会や多様性を認め合う社会など、ともに生き抜くための主体的・対話的で深い学びと、GIGAスクール構想の下、タブレットなどの活用を取り入れたICT教育などが進められる中、情報活用能力が求められています。つまり、単に知識だけの学力ではなく、正解のない問いに向き合っていく豊かな学力が重要であると言えます。 しかし、未来に向かってそのような学びが大切にされなければならない学校現場には、さまざまな立場の子どもたちがいます。近年、貧困、虐待、ヤングケアラーなど、厳しい実態が表面化しています。そして、それらに起因し、学力の低下や荒れ、不登校などに結び付く事例が少なくありません。これらのことは、子ども自身の責任のないところでの家庭環境によるところが大きいと言えます。これからの中津、日本の未来を築く子どもたちの学びを保障するためにも、子どもと親の命と健康、そして生活をどう支えていくかが、改めて問われています。 そこで、学校は生活困窮家庭、虐待、ヤングケアラーなど子どもの実態調査などを行い、その実態を把握した上で、具体的な支援策を講じるべきだと考えますが、どのように取組んでいるのでしょうか。そして、そのような子どもや保護者に対して、学校や行政だけでなく、地域の支えが一層必要となってくると考えられます。中学校区ごとに学校及びスクールソーシャルワーカーと、民生・児童委員などを含めた地域人材との連携の中で、気になる実態について地域全体として見守りをさらに進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。また、そのためにスクールソーシャルワーカーの各校配置が必要だと考えますが、いかがでしょうか。さらには、学校現場の子どもの課題を福祉とつなげるためには、行政組織として学校教育、子育て支援、障がい福祉、健康推進などの担当の連携がこれまで以上に必要だと考えます。そこで、ワンチームとして強化を図り、ワンストップの(仮称)子どもと親の支援室を設置してはいかがでしょうか。 次に、脱炭素社会の実現に向けた取組についてです。 政府は7月26日、温室効果ガス排出量削減に取組む新たな地球温暖化対策計画の案を公表しました。産業部門を7パーセントから37パーセント、業務部門40パーセントから50パーセント、家庭部門を39パーセントから66パーセント、運輸部門を28パーセントから38パーセントと、その他の吸収含む部門で33パーセントから52パーセントに削減し、2013年度比46パーセント削減を示しました。この計画は、2030年までにしっかりとした対策をすることが全世界で求められている温暖化対策です。 現行の第三次中津市地球温暖化対策実行計画の目標達成すら厳しい状況の中で、さらに上乗せされた目標設定となりました。自治体のごみ焼却に対しても、国の削減目標15パーセント削減に対し、今年度から始まる焼却場延命化工事では3パーセント削減となっており、現行のままでは目標達成できない状況です。 今後、各自治体では、国の目標に沿った家庭部門、業務部門など地球温暖化対策計画の見直しが急務となりますが、現時点での温室効果ガスの削減状況と計画見直しのスケジュール、今後の具体的な取組についてお伺いいたします。 国の示した目標を達成するために、中津市の取組として、業務部門においては、公用車やコミュニティバス、ごみ収集車の電動化、電気自動車の太陽光発電による充電設備の新設や更新、公共施設の太陽光発電、小型風力発電にセットして蓄電池を設置、水路などを利用した小水力発電やごみ発電などの創エネルギーの推進、建物建設時のZEH基準を取り入れてはと思いますが、いかがでしょうか。 また、家庭部門においては、一般家庭の太陽光発電設置の義務化や補助金支給、蓄電池の新設・更新、ZEH基準対応住宅に補助金を出すことなどをしてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。 次に、企業誘致についてです。 平成16年のダイハツ九州株式会社の操業開始以降、第2工場の操業を含め、多くの関連企業の進出をし、全国有数の自動車産業のまちとして発展を続けています。当時の市長をはじめとしたトップセールスにより、企業が中津に進出してきています。市は、近年の中津市の人口動態を踏まえて、企業誘致の推進化の中でも、特に女性の働く場の確保が重要とされ、女性活躍支援設備に対する助成など新たなメニューも追加し、雇用促進が図られています。 今後も県と連携し、さまざまなネットワークを活用しながら、新規企業への訪問活動など誘致セールスを進め、多くの女性が活躍できる企業の誘致に取組む必要があると考えます。 そこで、過去5年間の企業誘致実績と取組状況、目標件数、目標雇用数及び女性の雇用につながると考えている業種についてお伺いいたします。 また、企業誘致のための用地確保に向けて、現在、大新田地区を開発推進していますが、今後は、中津日田高規格道路インターチェンジ周辺が企業誘致を推進する上で重要と考えますが、いかがでしょうか。 さらに、戦略的で効果的な企業誘致を推進するためには、トップセールスが重要と考えますが、いかがでしょうか。加えて、現在、東京・大阪の営業活動はどのように取組んでいるのかお伺いいたします。 次に、観光振興についてです。 中津市は、景勝地「耶馬渓」などの自然景観や福澤旧邸などの歴史的・文化的価値のある観光資源が各地域に豊富に存在し、さらに、中津市・玖珠町にまたがる「やばけい遊覧」が日本遺産に認定されて、観光客の誘客活動に取組んできました。また、見る観光から体験する観光へと誘客活動の推進を図っています。しかし、コロナ禍でこの約1年半、観光客も減少していますが、日本遺産認定に係る取組の成果と今後の観光振興の在り方についてお伺いいたします。 また、現在のコロナ禍における厳しい状況と環境の変化に対応するため、今後の観光戦略の見直しにあたっては、外部人材を活用した観光振興計画の策定を行う必要があると思いますが、いかがでしょうか。 次に、商業振興についてです。 コロナ禍により商店街は厳しい経営状況にあります。国・県・市の補助金等の支援はありますが、売上げがなければ生活が成り立ちません。引き続き、国・県と連携した飲食業をはじめとするコロナ禍の影響を受けた事業者への支援の継続、拡充が求められています。市としても、今後、コロナ感染対策を講じている事業者やコロナにより売上げが減少した事業者に対し、どのような支援を検討しているのかお伺いいたします。 また、コロナ感染の収束をにらんだ商店街、飲食業、卸売業、小売業等の支援と活性化に向けての手立てが必要だと考えますが、いかがでしょうか。 次に、持続可能な財政運営についてです。 市長が描く10年後の中津市の姿を実現するためには、その礎となる安定的な財政運営が必要不可欠です。中津市では、平成17年の市町村合併以降、継続して行財政改革に取組んできました。 令和元年度決算では、財政構造の弾力性を示す経常収支比率が98.7パーセント、平成30年度の類似団体の平均92.2パーセントに達し、令和2年度決算で100パーセントを超過し、市財政に赤信号が点灯するのではと危惧していましたが、96.7パーセントに改善しています。 コロナ関連事業費の増大と国の地方創生臨時交付金等の積み増しによる財政状況の改善と考えますが、経常収支比率が改善した要因と今後の財政運営方針、財政見通しについてお伺いいたします。 令和2年度一般会計の歳出決算額は、コロナ関連支出の増加により、例年の400億円程度から511億3,858万円に膨らんでいます。財政指標や執行状況を経年的に分析する上で、コロナ関連事業を除外した通常ベースの決算資料も作成すべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、平成29年3月に策定した中津市公共施設管理プランについてです。 中津市公共施設白書では、施設保有面積は類似団体の1.4倍となっています。 このプランでは、老朽化した公共施設の改修や修繕に係る費用として、年間18億円を試算しており、持続可能な財政運営を実現するために、2055年度までに市が所有する公共施設の延べ床面積を20パーセント削減することを目標としています。 そこで、経常的な支出が発生し、負の遺産となっている管理プランにある未利用公有財産の建物64施設、1万8,621.90平方メートル、土地1,072万1,078.3平方メートルの民間事業者への売却や利用者への譲渡、廃止や解体を早急に実現するべきと考えますが、売却・廃止等の検討結果や進捗状況についてお伺いいたします。 また、開発公社の所有する米山公園、永添公共用地や雇用促進住宅跡地は、利用計画を早急に決定すべきと考えますが、いかがでしょうか。さらに、利用・活用の計画が立たないものは、持続可能な財政運営を図るため、売却して中津市公共施設等整備基金に積立てをすべきと考えますが、いかがでしょうか。 一方、公共用地の売却が進まない原因の一つに、用地購入時の購入金額と公示価格の差額の埋め合わせです。用地価格が右肩上がりに上昇している場合は問題になりませんが、バブル以降、用地価格が下落し、公示価格では損益が生じる公共用地が大多数だと想定されます。塩漬けの用地を長期間保有し、維持管理費や利息等が膨らめば、いつまでたっても処分は困難です。勇気を持って、公正・公平な一般競売入札方式で、鑑定評価に基づく時価により、市民へ売却等を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。以上。 ○議長(中西伸之)  休憩いたします。午前11時52分 ○議長(中西伸之)  再開いたします。午後 1時01分 市長。 ◎市長(奥塚正典)  新生・市民クラブを代表しまして千木良孝之議員より御質問がございました。お答えをいたします。 初めに、10年後の中津市の姿をどう描くのかについてであります。 平成29年3月に第5次中津市総合計画「なかつ安心・元気・未来プラン2017」を策定し、将来都市像である、暮らし満足No.1のまち「中津」を目指し、ライフステージに応じた五つの基本目標と、安心づくり、元気づくり、未来づくりの三つの柱でその実現に向けて取組んでまいりました。 しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行や災害の激甚化など、当初は想定されていなかった大きな状況の変化も起こっています。これによって、総合計画に掲げる将来都市像や基本目標などの基本的な理念が変わることはありませんが、その実現のための手段や手法を工夫し見直すことで、大きな状況の変化に的確かつ柔軟に対応していくことが求められています。 今年度は、総合計画の中で毎年進捗を調査するとともに、5年を経過する時点で評価・見直しを行うとした年にあたります。そのため、新型コロナウイルスによる影響など新たに生じた課題等も踏まえた中間見直し作業を進めているところであります。これまで毎年行ってきた検証会議等による進捗管理の評価も踏まえ、内容の更新を行うこととしています。 御質問の前期5年間の評価についても、この中間見直し作業の中で、検証会議等により評価をいただくこととしています。 客観的評価では、大半の地方都市が少子高齢化という困難を抱える中、中津市は人口の社会増を維持し、国勢調査速報値では中津市人口ビジョンによる予測値を上回り、比較的人口減少が抑制されていることや企業誘致実績が好調であることなどから、暮らし満足No.1のまちづくりは一定の成果を上げていると判断しています。 これまでの5年間もさることながら、これからの5年間はコロナ等による状況変化も加わって依然として厳しい情勢下にあることから、これまでの取組をさらに充実させるとともに、新たな課題の解決に向けてしっかりと取組んでまいります。 次に、10年後の中津市の姿ということでは、総合計画に掲げる将来都市像に集約されていますが、ライフステージに応じて次の五つの基本目標を掲げています。 一つは、子どもの将来における可能性が最大限拡がるまち。 二つに、若者が未来を描くために必要な社会環境──雇用、生活、余暇、子育て、出会いの場など、こういうものがそろっているまち。 三つに、高齢者がいつまでも健康で生きがいをもって暮らせるまち。 四つに、男女や年齢の差、障がいの有無にかかわらず、互いに支え合いながらコミュニティの一員として元気に活躍できるまち。 五つに、ふるさとを愛し、ふるさとの価値を次世代へつなぐまちと掲げています。 10年という期間は、子どもたちが社会人へ、若者が家庭を持ち子育て世代へ、現役世代が高齢者世代へと、それぞれの年代が次のライフステージに進むひとつのスパンになります。それぞれのライフステージでの暮らし満足を高めることが、10年後も中津に住み続けたい、あるいはまた戻ってきたいと思っていただくことにつながると考えています。 また、中津市は大分県北地域の拠点都市、周防灘地域定住自立圏域の中心市であることに加え、中津日田道路や中津港などの物流・交通ネットワークの要衝としてポテンシャルの高い地域であります。この特性を発揮し、地域経済をけん引していく役割を担うことも重要であると考えています。 次に、計画策定や施策の実施において住民の皆様に参画いただくことは、力を結集してまちづくりを進めるために重要なことであり、このことは総合計画にも明記をいたしています。 総合計画に関しては、中津市のまちづくりを進める基本となる方針を示すもので、その策定や毎年の検証会議等に関係団体や市民公募による委員という形で参画いただいています。また、ふれあい座談会や日常的な市民との対話の中でいただく御意見やパブリックコメントにより寄せられた意見なども参考としています。 一方で、住民の皆様が直接的にかかわり行動していただくような個別計画や地域ごとの取組などにおいては、住民の意見や議論を直接的に反映させていくことが実効性を高めることにつながります。このため、地域福祉活動計画のように、策定過程においてワークショップなどの手法も取り入れているところです。 今後も、目的に応じてさまざまな手法を活用しながら、住民の皆様に市政運営に参画し、かかわっていただき、さらなる連携と結集を進めてまいります。 次に、災害に強い安全なまちづくりについてであります。 初めに、避難時における交通手段についてですが、地震による津波のおそれがあるなど時間的余裕がなく市民が一斉に避難するような場合は、市街地での交通渋滞の回避という面から、徒歩や自転車での避難が原則とされています。 しかしながら、洪水警報発令時などの場合は、市も早めの避難情報発令に努めており、時間的余裕もあり避難するタイミングも個々で違うことから、降雨などの状況に応じて交通手段を選択していただきたいと考えます。特に、避難に時間を要する方や、自宅から避難所までが遠い方については、日頃から避難行動について考えていただき、早めの避難を心掛けていただきたいと考えます。 次に、避難所の収容人数の不足についてであります。 避難所開設については、避難者数等の状況に応じて、他の避難所を開設する方針ですが、避難対象地域の全住民を受け入れるだけの施設を確保できないのが現状であります。また、新型コロナウイルス感染予防のため、世帯ごとのスペース確保も必要であり、施設ごとの収容人数がさらに縮小されています。 このようなことから、市では、避難とは難を避けることであり、安全な場所にいる人まで避難する必要はないこと。 避難所だけが避難先ではなく、安全な地域に居住する親戚や知人宅への避難の検討、こういうことにつきまして、これまでもまとめたチラシを回覧するとともに、なかつメールやホームページなどでの適切な避難行動の周知を行っており、今後も継続してまいります。 次に、浸水想定区域内での避難所開設についてです。 現在、洪水などで浸水が想定される場合には、浸水想定区域内の避難所は開設していませんが、遠くの避難所への避難をためらわれる住民の方や、気付くのが遅くなり、逃げ遅れる方がいらっしゃる場合も考えられます。 そこで、このような方法を緊急的に受け入れる場として、浸水想定区域内の小学校の利用を考えています。また、これまで各学校を訪問し、避難場所として利用可能なスペース等の確認と利用にあたっての協議を進めてまいりました。 現在、鍵やセキュリティ対応についての準備を進めており、準備が整い次第、地域住民への周知を行いたいと考えています。 次に、避難行動についてです。 市では、これまで地域の防災学習などを通じて、お住まいの地域の災害リスクの把握及び早めの避難の呼びかけを行ってまいりました。今後も、安全な避難行動実現のため、改めて避難の在り方について、より具体的に示して行きたいと考えます。 また、避難行動については、防災士協議会とも情報共有した上で、住民への周知に努めるとともに、自主防災組織が行う防災研修や避難訓練に生かせるよう支援を行いたいと考えます。 次に、高齢者福祉と活躍の場づくりについてであります。 高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進しているところです。 これにより、医療・介護関係者の連携を支援する在宅医療・介護連携支援センターの設置や地域包括支援センターにおける相談体制の充実などの成果を得ることができました。 今後も、医療、介護を必要とする高齢者の増加が見込まれることから、高齢者を社会全体で支える地域づくりのさらなる推進と強化を図ってまいります。 次に、高齢者の活躍の場づくりを中心に据えた実践的かつ効果的な施策の実施についてであります。高齢者が生きがいをもって暮らし、その豊かな知識と経験を生かして、地域活動への参加促進、スポーツや文化の機会確保、就業への促進を図っているところです。 最近の調査結果では、ボランティアや就労などの活躍の場に参加し、社会との多様なつながり、きずなを保つことによって認知症リスクが半減することが分かっています。 コロナ禍の今、人や社会とのかかわりが希薄化している中で、つながり、きずなが保てるような活躍の場づくりについて発信していきたいと思います。 今後の施策としまして、在宅医療、介護連携のさらなる強化と新たに高齢者の保健事業と介護予防の一体的な事業を実施し、効果的な保健事業に取組んでまいります。 こうした取組により健康寿命の延伸につなげていき、自立した日常生活を送ることができる健康な高齢者を増やしていきたいと考えています。 次に、脱炭素社会の実現に向けた取組についてです。 昨年10月、菅総理は2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言いたしました。この宣言以降、地球温暖化対策推進法の改正など国内においてもその取組が加速しています。 まず、中津市の温室効果ガスの削減状況についてですが、中津市全体の二酸化炭素排出量は、国の地球温暖化対策計画の基準年度である平成25年度の417万トンCO2から、平成30年度の331万1,000トンCO2と、85万9,000トンCO2の削減となっています。 次に、計画見直しのスケジュールについてですが、先般、国の地球温暖化対策計画──これは平成28年5月13日に閣議決定をされていますが──その改正案が示されましたので、中津市の計画についても来年度以降に見直すこととしています。 平成31年4月に策定した中津市環境基本計画、平成30年2月に策定した第三次中津市地球温暖化対策実行計画では、国の地球温暖化対策計画の基準年度から令和12年度までの削減率と同様の目標を設定していますので、今回の国の改正案に合わせた目標値の見直しを行う予定です。 次に、温室効果ガス排出量の削減に向けた取組についてです。 中津市では、これまで温室効果ガス削減に向けて公共施設への太陽光発電設備の設置、高効率な空調設備の導入・更新、照明機器のLED化などに取組んできました。また、市民の皆様には、市報や環境学習などを通じた啓発活動を行ってまいりました。さらに、環境への負担をできる限り低減する循環型社会の形成、脱炭素社会の実現に向けて、7月からは資源プラの分別収集を開始いたしました。 次に、目標を達成するための新たな取組についてですが、国は本年6月に地域脱炭素ロードマップを策定し、公共施設への太陽光発電設備や蓄電池の導入、EV車の導入、建物や住宅のエネルギー消費量を実質ゼロにするZEB化・ZEH化の推進などの具体的施策や地域の脱炭素の道筋などを示し、脱炭素社会実現に向けた取組をさらに推進しています。 これらも参考にしながら、中津市にとってより効果的な施策について国の動向などに注視しつつ、今後も「環境共生都市なかつ」の実現、2050年脱炭素社会の実現に向けた取組みを進めていきたいと考えています。 次に、企業誘致についてであります。 まず、5年間の実績でありますが、これまで59社の企業が立地し、1,599名の新たな雇用が生まれています。 取組状況として、一つ目は大分県東京事務所へ市職員を派遣し、県と連携して日々企業訪問による誘致にまい進しているところです。 二つ目は企業が立地する環境を整備するために補助金制度の拡充や用地整備に取組んでいるところです。現在、大新田北企業用地(第4工区)の整備は大分県土地開発公社に委託をし、令和4年3月末に完成する予定です。また永添用地2ヘクタールにつきましては整備に着手したところです。 目標件数は、第5次中津市総合計画において令和7年度までの10年間で30件と設定していますが、既に目標を達成しているため、中間見直しの際には上方修正したいと考えています。なお、雇用数の目標については、その時々の経済状況に応じて企業が決めることでありますので、市としては目標を設けていません。 次に、女性の雇用に関して、総務省労働力調査によりますと、女性が多く働く業種としましては医療・福祉、卸売業・小売業、製造業、この順に高い結果になっています。 最近の立地企業で言いますと、食料品製造業や歯科技工業などで女性の働く割合が高くなっています。また、近年、製造業においても現場作業を希望して入社される女性やオペレーターとして活躍する若い女性が増えているとともに、検査工程などの分野は、むしろ女性の方が向いているとして企業が女性を多く採用しているとも伺っています。したがいまして、今後は業種を問わず、働く女性にとって魅力があり、そして働きやすい環境にある企業が女性の雇用につながると考えます。 また、中津日田高規格道路へのアクセスが容易なインターチェンジ周辺地域は、企業にとって非常に魅力ある場所と考えています。このため、中津市都市計画マスタープランでは、企業の立地を考慮した土地利用を検討するエリアとし、新たな企業向け用地の候補地に位置付けています。 企業用地につきましては、進出希望場所や用地の広さなど、多様な企業ニーズを踏まえ、現在整備中の大新田北企業用地(第4工区)と永添用地はもとより、民間が所有している用地や空き工場等の新たな企業用地の掘り起こしを行います。 企業誘致については、大分県は東京、大阪の各事務所が日々企業訪問を行っています。中津市においては、日常的に新聞や経済専門誌などから企業の設備投資動向の把握に努めるとともに、県からの情報、また企業からの情報に基づき、県と連携して企業誘致活動を行っています。 このような活動の核をなすのが、企業からのさまざまな要望に一つひとつ丁寧に対応していくことであり、これが企業誘致に最も大切なことであります。その上で、最も効果的で必要なタイミングを見計らってトップセールスを行っているところであります。 東京での営業活動にあたっては、県東京事務所に市職員1名を派遣して、日々企業訪問を行っています。また、県大阪事務所とも常に連携して企業訪問を行っています。 今後とも、企業誘致については県と密接に連携して取組んでまいります。 次に、観光振興についてです。 日本遺産「やばけい遊覧」の取組では、平成29年度から令和2年度の主な事業として、映像制作や公式ホームページ及び公式インスタグラムの運用、パンフレット等の作成、シンポジウムの開催、モニターツアーの実施、案内板の設置、イベント出展などさまざまな取組を玖珠町と協働で行ってきました。その集大成として、地域の人が運営する体験型プログラムを集めた「2021日本遺産やばけい遊覧博覧会・春」通称やばはくを開催し、3月下旬から5月までの約2か月間で、12プログラム、延べ200名を超える方々に参加いただきました。 観光全般については、新型コロナウイルスの感染が拡大する以前より、団体のモノ消費から少人数のコト消費へと観光のスタイルに変化が起きており、この流れに対応すべく、平成30年度に中津市観光振興計画「な活のすゝめ」を策定いたしました。この計画に基づき、令和2年度には体験型観光「NEWガストロノミーサイクリングツアー」などを中津耶馬渓観光協会とともに取組んできました。 今後は、アフターコロナを見据えてインバウンド、国内観光とともに観光客の滞在時間延長を図るため、「やばはく」の磨き上げや今議会に補正予算案として上程している里山体験などの中津の地域資源を生かした体験型ツアーのように、コト消費に対応した事業者支援を引き続き行ってまいります。 また、中津市観光振興計画は、行政としての役割を明確にし、観光事業者と協働で行うべきものを形にしたものです。 外部人材の活用につきましては、日本遺産協議会等の具体的な取組の中で外部からの意見を伺いながら進めており、今後もそうした場面での外部人材の活用に取組んでまいります。 次に、商業振興についてであります。 新型コロナウイルスの影響を受けている事業者に対する支援につきましては、これまでも国や県による支援と併せ、市がその隙間を埋める支援に取組んでまいりました。また、地元経済団体においても、事業者の経営相談や各種補助金の申請サポートを行うなど、必要な支援を行ってきたところです。 現在、全国的に第5波が広がり、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が続くなか、県においては飲食店の時短要請協力金や、飲食店の休業・営業時間短縮や外出自粛等の影響により売上げが減少する事業者への事業継続支援金などの支援が打ち出されたところです。 また、同時にコロナ収束後を見据え、コロナで落ち込んだ経済活動の再活性化の取組についても、新しい生活様式や価値観等への対応が必要なことから、関係団体と連携し、しっかりと準備し進めていきたいと考えています。 次に、持続可能な財政運営についてです。 まず、経常収支比率の改善につきまして、前年度と比較し、2ポイント改善しています。改善の主な要因ですが、歳入は市税、普通交付税は減額となったものの、消費税の税率変更に伴い地方消費税交付金が増額となったため、一般財源が昨年度と比較し、増額となりました。 歳出では扶助費が継続的に増額となりましたが、退職者数の減による退職金の減額や、これまでの地方債発行抑制による公債費の減額等により経常経費が減額となったため、経常経費比率は改善となりました。 なお、コロナ禍でイベント等の中止による支出の削減も改善の要因となっています。 次に、今後の財政見通しにつきましては、中津市の自主財源は歳入の約3割であり、国の施策により大きく左右される財務体質にあります。本年7月に国から示された骨太の方針2021では、令和4年度の地方財政について地方一般財源総額は前年度の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとされており、令和4年度も本年度と同水準の一般財源の確保を見込んでいます。一方で、同方針ではこれまでの歳出改革努力の継続による国・地方の財政健全化も目標として掲げており、今後の国の動向を注視する必要があります。 次に、今後の財政運営方針につきまして、今後も少子高齢化による扶助費の増額や公共施設等の老朽化対策など財政負担が大きくなることが想定されます。その中で、長期的に安定した財政基盤を確立するには、引き続き時代に即した真に必要な行政サービスを選択し、事務事業のスリム・コンパクト化を図る、選択と集中の視点に立った財政運営を進め、次期行財政改革プランに目標を設定したいと考えています。 次に、コロナ関連事業を除外した通常ベースの決算資料を作成することにつきましては、毎年度行っている財政事情の公表におきまして、令和2年度の新型コロナウイルス関連事業について説明を行う予定です。 次に、未利用公有財産の建物、施設、土地の利活用につきましては、その方針を公共施設マネジメント委員会で適宜検討し、実施しており、平成29年度以降、11件で3,597.6平方メートルの土地の売却を行っています。 次に、中津市土地開発公社が所有している米山公園、永添公共用地の利用計画につきましては、関係者等と協議を行い、企業誘致など有効な土地利用の検討を現在行っています。 また、雇用促進住宅跡地は本年度に未利用財産の対象となったため、今後、公共施設マネジメント委員会において売却も含め利活用を検討してまいります。また、未利用資産に限らず、土地等の売却時の売払い収入はこれまでも中津市公共施設等整備基金に積み立てており、今後も同基金へ積み立て、公共施設の老朽化対策に活用してまいります。 次に、民間への売却方法につきましては、現在、鑑定評価に基づく時価により、一般競争入札を行っています。しかしながら、落札者が少ない状況でありますので、売却方法についてさらなる検討が必要と考えています。 なお、教育委員会に関する質問につきましては、教育長より答弁をいたします。 私はこれで終わります。 ○議長(中西伸之)  教育長。 ◎教育長(粟田英代)  続きまして、教育委員会に関する御質問についてお答え申し上げます。 教育と福祉のさらなる連携についてです。 初めに、生活困窮家庭、虐待、ヤングケアラーなどの子どもの実態把握と支援についてです。 教育委員会では、子どもからのSOSを迅速に受け取ることができるように、学校での担任や養護教諭、スクールカウンセラー等への安心できる相談体制を整え、できるだけ早い段階での支援に努めています。 また、児童虐待の早期発見及び要支援家庭への適切な支援を行う目的で、児童福祉、保健医療、教育、警察、司法、人権擁護、中津市等の22団体で構成されています要保護児童対策地域協議会が行われており、その場において情報共有を図っています。 生活困窮家庭への支援としては、教育委員会、各学校において就学援助制度の周知に努めています。 また、虐待が疑われるときは、迅速に児童相談所や福祉部等と連携し、適切な対応について協議を行っています。 ヤングケアラーにつきましては、家庭内のデリケートな問題であること、本人や家庭に自覚がないといった理由から支援が必要であっても表面化しにくく、実態把握が難しい面があります。児童、生徒と接する時間が長く、日々の変化に気づきやすい学校の教職員が把握し、必要に応じて学校におけるケース会議等において関係者間で情報を共有するなどの取組で、ヤングケアラーの早期発見につなげています。 厚生労働省は、ヤングケアラーについて、今年4月に、中学生・高校生を対象とした調査の結果を公表しましたが、小学生と大学生についても実態把握に向けた調査を今年度内に行う予定としており、動きを注視してまいります。 次に、スクールソーシャルワーカーについてです。 スクールソーシャルワーカーは、生活困窮家庭、虐待、ヤングケアラー等の対応について、児童、生徒が置かれた環境問題に働きかけたり、保護者・学校・関係機関等の連携に向けた連絡調整を行ったりしながら、問題を抱える児童、生徒の支援を行うとともに、福祉的な支援や手法を用いて学校の問題解決能力の向上を図る重要な役割を担っており、年々重要性を増しています。 現在、中津市では週4日勤務のスクールソーシャルワーカーを2名、週2日勤務のスクールソーシャルワーカーを1名配置していますが、相談件数も増加し、内容も複雑化してきていることから、増員について検討も必要と考えます。 最後に、新たな組織の立ち上げについてですが、中津市においては、先ほど申し上げました要保護児童対策地域協議会が全国に先駆け平成13年度に設置され、平成27年11月には当時の厚生労働大臣が視察に来られるなど、全国的にも高い評価を得ている取組です。この実務者会議には、スクールソーシャルワーカーも入っており、しっかり関係機関・部署と連携を図っているところであります。 このようなことから、これまでの取組のさらなる充実を図ることで対応してまいりたいと考えています。教育委員会からは以上でございます。 ○議長(中西伸之)  千木良議員。 ◆21番(千木良孝之)  それでは、2回目の質問をさせていただきます。 10年後の中津市の姿をどう描くかについて、漠然とした、総花的な答弁と受け止めています。市民の皆さんに対してもっと分かりやすく、将来像を示してほしいとも感じました。 さて、その将来像を描くためには、総合計画のまちづくりの理念の1番目に掲げられている変化、挑戦、創造が重要だと考えます。 しかし、先ほどの答弁では、早いスピードで変化する社会情勢に柔軟に対応しながら、市民ニーズに応える施策を展開していくため、常に変化を恐れず、困難な課題に挑戦し、新しい施策を創造していく姿勢が強くは感じられませんでした。 市長が目指す、暮らし満足No.1のために、さまざまな施策を実現する政策市役所への脱皮が欠かせないと思います。 そこで、政策市役所への脱皮をどのようにつくり上げていこうと考えているのかお伺いいたします。 ○議長(中西伸之)  企画観光部長。 ◎企画観光部長(松尾邦洋)  それでは、政策市役所への脱皮ということでお答え申し上げます。 年齢それからジェンダー、価値観、ライフスタイルなど、実に多様性に富む現代社会においては、それぞれの暮らしにそれぞれ感じる満足があるということを踏まえて施策を行うことは、自治体として、これからの時代を生き抜くために重要な考え方であり、究極の目標でもあると考えています。 その実現のためには、変化、挑戦、創造の姿勢はもちろんのこと、あらゆる主体との連携、多元的な視点、そして持続可能な財政運営との両立といった理念の上に立ち、政策市役所としてさらに進化していかなければなりません。 これまでも、政策市役所としてさまざまな施策を検討し、実現していく上で、次の視点に重点を置いて取組んできています。四つございます。 まず、市民中心の立場に立って、現場に足を運び、市民の声をよく聞き、現場をしっかり見て政策に反映させる現場主義。 次に、SDGsの理念にのっとりつつ、現在の課題解決のための取組が今後の社会変化の中にあっても、将来にわたって持続できるよう仕組みを構築すること。 そして次に、政策目的を明確化した上で、政策効果の測定に重要な関連を持つデータなどの根拠──エビデンス、これに基づき、政策立案を行うこと。 そしてさらに、事業者や関係団体、市民などあらゆる主体と連携し、公民連携、協働、役割分担や自助・共助・公助のバランス、この下に力を結集することで、施策の効果を最大限に高めていくと、こういう四つの視点で取組んでいます。 こうした視点に立った施策を具体的に例にいたしますと、屋内広場のこどもいきいきプレイルームや大型遊具のある、わくわくふれあい広場などは、子育て世代のニーズや子どもたちの意見を取り入れており、現場主義の下に整備された施設でございます。 さらに、こどもいきいきプレイルームにつきましては、民間事業者との連携により空きスペースを活用した施設であり、公民連携や持続可能な仕組みの視点にもつながっています。 また、根拠に基づく政策立案ということでは、これは産業振興全般に通じるところですが、例えば観光誘客において、観光客の動向を分析し、ターゲットを絞って効果的なPRを展開しているほか、市内企業と学生とのマッチングや、移住政策では人口動態の分析などを基に、福岡市を主なターゲットとして取組んでいるところでございます。 こういったことは一部の例ですが、あらゆる施策において、まちづくりの理念と政策市役所としての視点を持って取組んでいるところでございます。 新型コロナウイルスの感染症などによる状況変化もあり、依然厳しい情勢下ではありますが、その中でも多くの暮らし満足を創出すべく、さまざまな変化に柔軟に対応しつつ、財政面も含め、持続可能な自治体運営ができる政策市役所を目指してまいります。以上です。 ○議長(中西伸之)  ただいまより3分間の「健康増進スタンドアップ中津」を行います。皆さん、立ち上がりストレッチなどをして体をほぐしてください。 暫時休憩します。午後1時43分 ○議長(中西伸之)  再開します。午後1時46分 会派前進代表、草野修一議員。 ◆24番(草野修一)  皆さん、こんにちは。会派前進の草野修一です。 オリンピック・パラリンピック、ごく一部の人の開催反対はありましたけれども、大半の皆さんは大成功を喜んでいるのではないかなと思います。コロナ感染防止対策や多くの制約の中での開催でありましたけれども、関係各方面の努力に対し、敬意を表したいと思います。 特に、一昨日閉会したパラリンピックは、自国開催ということもありまして、ほとんどの競技が放送されました。本当に感動続きの大会でありました。感動をありがとうということで、質問に入らせていただきます。 中津市総合計画「なかつ安心・元気・未来プラン」ついて、会派を代表して質問させていただきます。 世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症は、社会全体に深刻な打撃を与え続けていますが、ワクチンや治療薬の開発等により、時期は分かりませんがある程度抑制されるものと思います。 しかし、経済社会活動が再開されたとしても、コロナ以前の社会構造に戻ることは限界があります。行政においても、この変化に応じた政策運営を余儀なくされることは必然です。 中津市においても、基本構想や総合計画について、その方向性の検証が必要であると思います。地域の活性化、商店街の活性化、観光・教育など地域活動のさまざまな面において、人の集まり方の変化に合わせた活動をしなければなりません。社会構造の変化を踏まえ、中津市の今後の具体的な対応についてお尋ねをいたします。 最初に、コロナ感染症対策とコロナ禍の先の市政の展望と市民との関係についてお尋ねします。 中津市において、コロナ感染者の状況とワクチン接種の現状はどのようになっていますか。コロナ感染拡大の第1波から第4波と言われる時期までは、中津市の感染者はそれほどの広がりではなかったように思いますが、盆明け以後、デルタ株の拡大になってから若い人を中心に中津市でも広がりを見せています。 最近の感染者の動向を見ますと、高齢者の感染が極端に減少しています。これは、ワクチン効果の表れではないかと感じていますが、中津市のワクチンの接種状況はどうなっているのかお尋ねします。 ワクチン接種については、当初、感染拡大のパターンから、まず重症化の可能性の高い高齢者から接種を始めました。順次年代を下げて接種券が配布されてきましたが、現在までの中津市の接種総数と年代別接種人数、パーセンテージをお知らせください。議会開会日、市長の行政報告で示されましたが、改めてお願いいたします。 中津市は、ワクチン接種を早い段階でダイハツアリーナを集団接種会場にして非常に効率のよい方法で実施してきました。このシステムは、市民の皆様からも高い評価をいただいたところであります。また、指定病院での接種も予定通り速やかに進んでいると聞いています。対応されている医療関係者の皆様や運営を進めてきた対策課職員をはじめ市執行部の皆さんに敬意を表し、感謝を申し上げます。 次に、今後のワクチン接種計画についてお尋ねします。 ワクチン接種を16歳以上としてきましたが、デルタ株は幼児や児童にも拡大していることから、12歳からの接種が追加され、9月1日、接種券が配布されたとお聞きしました。今後のワクチン調達の予定と、希望する市民全員が2回目の接種を終了する予定時期についてお尋ねをいたします。 次に、ワクチン接種を希望しない人への対応についてどのように考えているか。 先ほども言いましたが、デルタ株拡大の中で若い人の感染が増えていますが、ワクチン接種を先行した高齢者の感染は抑えられています。重症化率もワクチン接種した人は低いと聞いています。医学的に副作用に関しては完全に検証されたわけではありませんが、安全性については多くの機関で認められています。ワクチン接種の終わった人の感染状況から見ても、ワクチンの有効性は高いことが証明されていますので、現在、ワクチン接種を希望しない人にワクチンの効果や安全性を伝えて、ワクチン接種を推奨すべきだと思いますがいかがでしょうか。 中津市で、集団接種や医療機関での接種時や、経過後の副反応の検証はしておられますか。接種を推奨する上で、身近なところでの安全性の証明は必要なことだと思います。検証されている場合の結果についてお尋ねをいたします。 次に、コロナ禍とコロナ以後の行政サービスの在り方と行財政改革の必要性についてお尋ねいたします。 コロナ禍で、従来の行政サービスにさまざまな変化や質の低下が起きていると聞きますが、どのような課題が生じているのでしょうか。特に、窓口での対面サービスでは、コロナ感染防止上、かなりの制約があるようですがどのように対策を取っているのかお尋ねします。 次に、今後の財政状況についてお尋ねします。 財政調整基金もコロナ対策予算で減少しており、地域経済の落ち込みで税収も減ると見込まれます。先ほどもありましたけれども、今期の経常収支比率は現状では安定を保てているとのことですが、今後の見通しは厳しいものになると予想されます。国や県の財政状況も悪化していますので、将来、交付金の算定もより厳しいものとなり、市政への影響も大きくなるのではないでしょうか。行財政改革を推し進める上で、政策や住民サービスの分野において、歳出に優先順位が必要になると思うのですが、どんな基準で対応するのかお尋ねします。 限られた財源の中で費用対効果を優先するのか。経済浮揚策を優先した予算を組むのか。それとも将来の安定を主眼に置いた緊縮対策を取っていくのか。次年度予算の編成について、どのように取組むのかお尋ねします。 加えて、特にコロナ禍でこの質問は批判を受けるかもしれませんが、中津市に限ったことではありませんが、近年、当たり前のように膨大化する社会保障費が財政悪化の大きな原因になっています。行政として、財政基盤安定のために、扶助費など社会保障費について、削減可能な分を見直す考えはないかお尋ねします。 次に、コロナ禍で疲弊した地域経済の立て直しを市主導で進める考えはないかお尋ねします。 今回のまん延防止措置で大分県は対象外となっていますが、福岡県は緊急事態宣言が継続されています。福岡県に隣接している中津市としては、前回のときと同様に国の支援で大きな差が出ています。 前回は、県に対してまん延防止と同じような対策が取れるように要請し、大分県としての対策が取られましたが、豊前市や吉富町、上毛町と同一経済圏の中津市は、人の交流や物流などにおいて、県下他市と状況が違います。今後、中津市の状況に即した独自の経済支援プランを策定して、それを県に支援要請をする考えはないか、お尋ねをします。 次に、新しい日常での中津版自助・共助・公助の形成についてお尋ねします。 コロナ以前、自治体の原点は自助・共助・公助であり、自分でできることは自ら担う、自ら対処できない場合は住民同士で支え合う、さらに支え合いだけでは対処できないものを行政がカバーする公助と言われてきました。しかし、中津市において周辺部では高齢化と若い人の流出でこの構図が崩れようとしています。自助・共助の厳しくなった地域を公助で支えていかなければならない状況になっています。 総合計画の施策の中でも地方創生施策でも、周辺部での公助の負担はますます大きくなっています。 冒頭で述べましたように、コロナ感染症もいずれ抑制されると思います。そして、経済活動や社会活動が全面的に再開されることになるでしょうが、経済産業の構図はコロナ以前とは大きく変貌するでしょう。ウィズコロナ、アフターコロナで、新しい日常という表現で言われている中で、周辺部の公助の役割をどのように捉えているのかお尋ねします。 続いて、周辺地域対策についてお尋ねします。 まず、周辺地域の医療・福祉・消防・防災・地域コュミニティの拠点維持の問題ですが、これ以上周辺部の過疎高齢化が進めば、支所をはじめ学校、スポーツ施設や診療所などの公共の施設の維持が厳しくなってくると思います。中津市全体の公共施設の在り方から考えても、公共施設の統廃合は避けられないことと思います。合併以後、周辺部の少子高齢化と人口減少についてはずっと言われてきましたが、歯止めがかかる有効な手立ては取られていません。 そこで山国、耶馬溪、本耶馬渓において、地域を存続するためには最小限の人口を設定して、人口がそれ以下にならない施策を重点的に展開し、道路整備や住宅整備、情報通信網などの効果的な地域構造の再整備を行えば、施設の集約化や人材確保などが可能になり、地域の持続が保持され、周辺部に住む人も安心して暮らせるのではないかと思います。対策についてお尋ねします。 次に、少し前後しますが、中津・日田高規格道路の開通に向けた未来ビジョンについてお尋ねします。 耶馬溪町下郷から山国町上志川までの山国道路が整備区間に決まり、高規格道路の開通にようやく目星が立ちました。全線開通まであと十数年はかかると思いますが、開通に向けての地域振興の取組を始めなければいけない時期になったのではないでしようか。 いろいろな課題はあると思いますが、まず観光振興についてお尋ねします。 地域の資源を生かした観光振興ということですが、日本遺産の観光施策はどのように展開されているのか。最近は、職員の皆さんの日本遺産バッジ着用も余り見かけなくなっていますが、山水絵巻の道はどこまででき上がっているのでしょうか。 また、高規格道路が順次供用開始になっています。それに対して、どのように展開していく計画か。全線開通時には、日本遺産の観光を玖珠町や日田市とどのように連携するのか。その構想についてお尋ねします。 次に、メイプル耶馬サイクリングロードについてです。 サイクリングで友好協定を結んだ台中市との関係はどうなっていますか。コロナ禍での交流事業は難しいと思いますが、コロナ後の友好関係について台中市とどのような協議がされているのかお尋ねします。 次に、産業振興において中津港の活用についてお尋ねをします。 先般、「タウンマガジンなかつ」に、中津と岡山県のフェリーに関する記事がありました。それから今度、津山市との三津同盟も結ばれるということで、岡山県とは縁があるような気がしています。 フェリーの就航については、岡山航路ということではありませんが、以前から中津港にフェリーの誘致という話は出ていましたので、この記事を興味深く読ませてもらいました。 その後、会派で話し合い、県の港湾課で中津港の現状や今後の利活用について研修を受けました。中津港の利活用についての要望が中津市から出されているということでありましたが、RОRО船やフェリーの就航実現には貨物取扱量や集客の要素が一番であり、航路の開設に必要なことはいかにして船会社を誘致できるかにかかっているということでした。この点について、どのように考えているのかお尋ねします。 港の物流や人流を増やすためには、高規格道路のインターチェンジ周辺への企業誘致が有効な要素だと思います。そのための地域開発、企業誘致に向けた用地の造成確保について、どのように考えているかお尋ねします。 次に、暮らし満足No.1のまち「中津」、五つの目標についてお尋ねします。 一番目の「子どもの将来における可能性が最大限に拡がるまち」ですが、具体的な施策としてどのように取組みをしているのか。今後、どのように展開をしていくのかお尋ねします。 二番目の「若者が未来を描くため必要な社会環境が整っているまち」ですが、これは平成25年に中津青年会議所が監修した「GRAND DESIGN FOR NAKATSU ふるさと中津の未来予想図」というのがありました。読ませてもらって、素晴らしい内容だと感心した記憶があります。 このような若い人たちの活動が生かせる環境づくりを具体的にどのようにしているのか、お尋ねします。 三番目の「高齢者がいつでも健康で生きがいを持って暮らせるまち」です。何をもって、高齢者の生きがいとするのか。具体的な取組みについてお尋ねします。 四番目の「男女や年齢の差、障がいの有無にかかわらず互いに支え合いながらコミュニティの一員として元気で活躍できるまち」です。昨年、国会で社会福祉法が改正されました。誰一人取り残さない地域共生社会の実現に向けた取組をという、地域共生社会の在り方について、大きく舵を切った法改正であると言われました。誰一人取り残さないとは、いささか曖昧な表現ではないかと思いますけれど、地域共生社会の実現への中津市の取組についてお尋ねします。 五番目、「ふるさとを愛し、ふるさとの価値を次世代へつなぐまち」です。中津市の文化や伝統など中津の誇れるものを、今以上に学校教育の中に取り込む考えはありませんか。現在、取組んでいることもあるようですが、その具体的な内容と成果についてお尋ねします。 ふるさと愛の啓発活動の手段として、これは提案ですけれども、ふるさと給付金を財源にして、「なかつ愛」のシンボルマークを公募し、マーク入りのマスクやステッカーやバッジをつくって、市民に配布する事業はできないでしょうか。 コロナ感染症対策、周辺地域対策、暮らし満足No.1の五つの目標について質問をしてまいりましたが、最後に市長の描く中津No.1はどんなものでしょうか。以上で、質問を終わります。 ○議長(中西伸之)  市長。 ◎市長(奥塚正典)  ただいま、前進を代表して草野修一議員より、中津市総合計画について御質問がございました。お答えをいたします。 初めに、コロナ感染症対策とコロナ禍の先の市政の展望と市民との関係についてでございます。 令和3年9月6日現在、中津市における感染者は累計で608人となっています。 特に、8月に入ってからの感染者は460人と急速に感染が拡大しており、これは感染力の強いデルタ株への置き換わりと併せて、夏休みやお盆などの人流の増大も要因の一つであると考えています。また、感染経路につきましても、高齢者施設や学校内での感染は減少する一方で、家族間での感染、経路不明の感染、会食や知人間での感染が増加をいたしています。 そこで、私から8月2日、17日、31日の3回にわたりまして、感染拡大防止に向けた市民の皆様へのメッセージ動画を発信。8月23日には、中津市議会、中津市医師会、中津商工会議所、中津市しもげ商工会とともに、感染拡大の取組を確認した上で、それぞれが周知活動に取組むこととし、新型コロナウイルス感染症封じ込めに向けた中津市民の皆様へのお願いを発出いたしました。また、感染拡大防止を呼びかけるお知らせを9月1日号の市報とともに全戸配布して、感染拡大防止の取組や積極的なワクチン接種をお願いし、ホームページではトップページの中で特に重要な情報として掲載いたしています。 今後も、引き続き不要不急の外出自粛や、感染が拡大している地域への不要不急の往来の自粛、入念な手指消毒など、市民の皆様に感染拡大防止の取組みの周知を図ってまいります。油断ができません。これからも、感染拡大防止に向けた周知活動はしっかりやっていきたいと思っています。 次に、ワクチン接種の状況ですが、9月5日現在、医療従事者が1回目接種3,478人、99.4パーセント、2回目の接種3,457人、98.8パーセントの接種であります。65歳以上の高齢者でございますが、1回目の接種は2万3,498人、これは90.4パーセント、2回目の接種が2万3,104人で88.9パーセントでございます。高齢者施設等の従事者でありますが、1回目接種が1,458人で97.2パーセント、2回目接種1,429人で95.3パーセントであります。それから次に、60歳から64歳の方でございます。1回目が4,115人で76.2パーセント、2回目接種3,903人で72.3パーセント。次に、16歳から59歳の方が、1回目接種が1万8,315人で50.0パーセント、2回目接種が1万807人で29.5パーセント。これら全てを合計いたしますと、1回目の接種が5万864人で66.9パーセント、2回目接種が4万2,700人で56.2パーセントとなっています。 なお、この接種実績の中には、ダイハツ九州の職域接種分、約3,000人と、それから8月25日に開始をされました中津商工会議所の7,000人を対象としていますが、そのうち終了分700人を含んでいます。 数としては、かなり進んできたというところでございます。 また、今後のワクチン接種の計画でありますが、9月中に2万5,740回分──これは中津市の接種対象者のうち8割の方が2回接種可能な回数分であります──のワクチン供給の見通しが立っています。 それを受けて、8月23日に9月分の集団接種の新規受付を開始し、個別医療機関につきましては、9月分の予約を随時受付けているというのが現在の状況であります。 また、12歳から15歳までの方につきましても、先ほどお話がありましたが、9月1日に接種券を配布し、現在予約を受付けているという状況でございます。 集団接種そして個別接種、職域接種、これらを合わせますと、全ての予約枠が埋まった場合、9月末の時点で8割の方が第1回目の接種を終え、10月中には希望する全ての方の2回目の接種が完了する見込みであります。 今後も、希望する全ての方に対して1日でも早く接種が行えるよう、中津市医師会及び各医療機関の御協力をいただきながら、ワクチン接種を最優先に取組んでまいります。 次に、ワクチン接種を希望しない方への対応についてであります。 まずは、ワクチン接種の有効性等をしっかりお伝えする必要があると考えています。厚生労働省によりますと、ワクチン接種による発症予防効果は、ファイザー社製で約95パーセント、武田・モデルナ社製では約94パーセントとされています。また、大分県のデータによれば、1万人当たりの感染者ではワクチン未接種者──ワクチンを打っていない人が52.0人であるのに対し、2回接種済──もう2回既に受けた人が、1万人当たり3.6人という、県下でその差は明らかであります。これは、7月12日から8月30日までの統計でございます。 さらに、東京都のデータによりますと、接種が進んでいる60歳以上の重症者数が減少していることから、感染予防及び重症化予防についても十分に効果があると考えています。 また、ワクチンには感染予防効果もあるとされているため、その方の周りの方が接種を行うことで、接種できない方への感染予防にもつながると考えています。 そのようなワクチンの有効性や効果について、現在、市ホームページにて、今申し上げた感染予防効果や重症化予防効果のデータや、政府の広報動画を掲載し、啓発を行っているところであります。 今後も、ホームページや市報等により、1人でも多くの市民の方に接種していただけるよう、啓発を行ってまいります。 なお、基礎疾患などでワクチンが接種できない方に対しましては、特に注意が必要ですので、不要不急の外出自粛や感染が拡大している地域への不要不急の往来の自粛、入念な手指消毒など、これまで以上にしっかりとした感染防止対策を取っていただくよう一層の周知に努めてまいります。 市といたしましては、1人でも多くの方に接種を行っていただくことで、市全体の感染予防につなげていきたいと考えています。 次に、接種後に起こるかもしれないワクチンの副反応については、集団接種及び各医療機関での接種どちらにおいても、接種される方に対して丁寧に御説明をしています。 接種後につきましても、各医療機関においては近くに医師や看護師の方がいるので、何かあればすぐに対応が可能でありますし、集団接種においては、接種後の健康観察のために看護師や救急救命士を配置しており、何かあれば迅速に対応できる体制を整えています。 接種後、緊張から気分が悪くなる方もいらっしゃいますが、ほとんどの場合、数分で通常の状態に戻っています。集団接種においては、これまでのところ重篤な事例は報告されていません。 副反応の検証については、市ではデータを持ち合わせていませんが、厚生労働省が発表しています医療機関からの副反応疑い報告によりますと、約9,066万回を接種した中で、副反応の疑いとして報告されたものが0.02パーセント、これは5,000回に1回。そのうち、重篤とされる報告が0.004パーセント、これは2万5,000回に1回という数字となっています。 次に、コロナ禍における対面での行政サービスの制約についてのお尋ねがありました。 現在の窓口対応は、飛沫防止板の設置や行政手続のオンライン化などを通じまして、制約を設けることなく対応を行っています。 しかしながら、福祉部門で医療機関、各種施設及び個人宅へ訪問・調査を行う場合において、コロナ禍を理由に制限を受けたり、面会できないケースが見受けられます。その際に、電話やタブレットによる映像でのオンライン対話を行うなど、できる限りの対応を行っており、行政サービスの質の低下は抑えられていると考えています。 次に、コロナ禍の財政運営における歳出のプライオリティについてであります。 これまでどおり、中津市行政サービス高度化プランの下、限られた財源の中で集中と選択の視点に立ち、真に必要な行政サービスを選択し、「なかつ安心・元気・未来プラン2017」に示した施策を展開してまいります。これまでどおり展開してまいります。 なお、現下の課題である新型コロナウイルス対策につきましては、本年度の当初予算編成方針にも示していますが、今後も積極的に取組んでまいります。 次に、扶助費など社会保障関係費は、基本的に国の法令などで定められた義務的な経費であるため、任意に削減することは困難でありますが、近年、御指摘のあったように増加の一途をたどり、市の財政負担は大きく、財政的な課題となっています。 また、高齢化の進展は、医療・介護費用の増大をもたらします。より健康な状態で長く過ごすことができれば、結果的に医療・介護費用の増加を抑制することにつながると考えられます。そのため、健康増進事業や介護予防事業に積極的に取組み、健康寿命の延伸を図ることで社会保障関係費の抑制に努めていかなければならないと考えています。 次に、コロナ禍で疲弊した地域経済の立て直しについてであります。 中津市では、これまでも県内でいち早く市内事業者の感染防止対策の取組みや事業者に対する賃料補助や応援金など、各種の支援を行ってまいりました。 現在、全国的に第5波が広がり、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が続く中、県においては飲食店の時短要請協力金や飲食店の休業・営業時間短縮や、外出自粛等の影響により売り上げが減少する事業者への事業継続支援金などの支援が打ち出されたところであります。 また、今回、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の事業者支援分が各自治体にも追加されましたこともございますけれども、感染の急拡大を受け、その影響を受けている市内事業者の支援に早急に取組むことが必要なことから、現在、市独自の支援策の検討を進めているところであります。 市としましては、今後も感染状況や市内事業者に与える影響などを注視し、必要な支援が必要な方に届くよう取組を進めてまいります。 次に、新しい日常での中津版自助・共助・公助の形成についてであります。 中津市だけでなく、日本全体が少子高齢化で人口減少の局面にあり、かつ、非常に厳しい財政運営の中、さまざまな施策を行うにあたり、あらゆる主体との連携や中津という地域の特性に応じた自助・共助・公助の役割分担を考えていく必要があると考えています。 また、コロナを契機として、私たちの生活様式や価値観は変容し、対面での対応の制限など、これまで通りの自助・共助・公助では対応が難しくなってきた面もあります。 そうした中、市民や団体の皆様におかれましては、状況に応じた自助・共助に取組んでいただいており、行政としましても、全体のバランスを考慮しながら公助の在り方を模索しつつ、田舎困りごとサポート事業などにより実践をしているところであります。 また、アフターコロナにおける新しい日常の姿が定かではありませんが、周辺地域など共助が十分に機能しにくい地域では、公助によりしっかりと支え、市民の地域での安心できる暮らしのためにも、デジタル技術なども活用した新たな自助・共助・公助の形をつくってまいります。 次に、周辺地域の振興についてであります。 周辺地域においては、人口減少・高齢化は顕著であり、その対策は喫緊の課題と認識いたしています。 今回、策定しました中津市過疎地域持続的発展計画では、持続可能な地域社会の形成及び地域資源等を活用した地域活力の向上に取組むことが重要であるとの認識の下、例えば、観光振興に関しては、中津市にしかない資源を活用した体験型観光商品の開発支援など、現状と課題、その対策についてまとめ、今議会へ上程いたしました。 特に、旧下毛地域においては、中津市総合計画や中津市版まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、田舎困りごとサポート事業や地域おこし協力隊事業などの定住促進や農林水産業の振興、移住促進、大学との連携や体験型観光などによる交流人口・関係人口の拡大など、他の地域を含め広域的にさまざまな施策を実施し、中津市全体で人口減少をできる限り抑えるよう努めながら、社会増を目指してまいります。 また、中津市では人口減少や災害、その他刻々と変化する社会情勢の下、その時々で必要となる行政サービスの在り方を念頭に置きながら、最適な公共施設等の配置を行ってまいりました。 しかし、少子高齢化が進み、厳しい財政状況の中、今ある全ての公共施設を将来にわたって維持することは難しい状況となっています。 そのため、どの地域の住民でも持続可能な生活を送ることができるよう、あらゆる主体と連携し、知恵を出し合いながら、このような課題を乗り越えていく必要があります。 特に、旧下毛地域の公共施設につきましては、地域の拠点として防災機能や地域コミュニティの維持活性化に必要な機能を確保しつつ、老朽度合いや配置・複合化等も考慮した整備・更新を進めてまいります。 また、職員についても道路の整備状況や情報通信網を活用することで、限られた人材の中で住民の声を聞きながら、住んでいる方が望む行政サービスを提供できるよう体制を構築してまいります。 次に、中津・日田高規格道路の開通に向けた未来ビジョンについてであります。 中津日田高規格道路へのアクセスが容易なインターチェンジ周辺地域は、企業にとって非常に魅力ある場所と考えています。 例えば、三光下秣インターチェンジ周辺には、令和2年度に3件の企業が操業を開始しており、特に企業にとって物流の利便性が高く、メリットのある場所と言えます。 また、中津市都市計画マスタープランでは、インターチェンジ周辺は企業の立地を考慮した土地利用を検討するエリアとし、新たな企業向け用地の候補地に位置付けています。 企業用地の確保については、大新田北企業用地(第4工区)や永添用地の整備に着手するとともに、今後も企業ニーズに備えて民間が所有している用地や空き工場など、新たな企業用地の掘り起こしにも努めてまいります。 次に、観光振興についてです。 これまで、日本遺産「やばけい遊覧」は、中津観光の観光素材として映像制作や公式ホームページ、及びインスタグラムの運用、パンフレット等の作成、シンポジウムの開催、モニターツアーの実施、案内板の設置、イベントの出展など玖珠町と一体となって地域で活動する人々と連携して取組んできました。その集大成として地域住民が主体となった「2021日本遺産やばけい遊覧博覧会・春──通称やばはく」を開催し、3月下旬から5月末の約2か月間で、12プログラム、延べ200名を超える方々に参加をいただきました。 中津日田道路は、令和2年度に耶馬溪山移インターチェンジから下郷交差点間までの耶馬渓道路が開通し、さらに令和5年度に田口インターチェンジから青の洞門・羅漢寺インターチェンジの三光本耶馬渓道路が開通することで、自動車による移動時間が短縮され、城下町エリアと耶馬渓地域がより身近になります。 こうしたチャンスを生かすため、中津耶馬渓観光協会、民間事業者とともに少人数対応の城下町と耶馬渓をつなぐ旅行商品化、例えば城下町エリアでの和傘づくりと耶馬渓の農泊を組み合わせるような体験型観光などに取組むことで観光客の滞在時間延長を図ってまいります。 日本遺産を通じた他市町との観光連携については、玖珠町とはこれまでの活動を継続しながら、現在開催中の「やばはく(秋)」──秋のバージョンのほうですけれども、構成文化財を生かした体験型ツアー推進を支援してまいります。 また、中津日田道路の全線開通を見据えて、天領日田の魅力と城下町中津や耶馬渓の自然の魅力を一体的にPRすることで、今まで以上に誘客の相乗効果を生むよう日田市との連携を推進するとともに、引き続き中津玖珠日本遺産推進協議会を含む県内の三つの日本遺産推進協議会とも連携し、情報発信等を行っています。私はまだ、バッジはいつも付けています。 また、台湾台中市とは、サイクリングツーリズム観光友好交流の促進に関する協定書に基づき、アフターコロナの相互誘客再開を見据えて、この間も観光情報の共有など途絶えることなく交流を継続しています。 引き続き、台中市を中心に据えながら、台湾全体をインバウンド誘客の最重要エリアとして取組んでまいります。 次に、中津港の利活用についてであります。 中津は、大和朝廷時代に「分間(わくま)の浦」との名称で港が開かれ、江戸時代には「西の博多、東の中津」と言われるほど、日田地方をはじめ九州一円から関西方面へ荷物を運ぶ海上輸送の拠点として発展をいたしました。 時代が変わって現在では、マイナス11メートル岸壁の国際物流ターミナルなど大小五つの岸壁を持ち、また、高速道路まで信号二つでつながる非常に交通利便性の高い港となりました。 今後、地域高規格道路中津日田道路が日田市まで開通すれば、日田市はもとより物流倉庫の多い鳥栖市から熊本方面に及ぶ広大な後背地を持つ港に変貌を遂げる可能性を秘めていると考えています。 また、近年は木材やバイオマス燃料の取扱い開始などにより、徐々に港の利用も増えており、直近の令和2年には337万トンの年間貨物取扱量となっています。 中津市を含む50の関係団体で構成する中津港利用促進協議会では、在京船主などに対して、クルーズ船やRОRО船などの誘致活動に積極的に取組んでいます。 一方で、定期運航船の誘致には港の整備を要しますので、所管する国や県に未整備施設の早期着工などの働きかけを続けていきたいと思います。 次に、暮らし満足No.1のまち「中津」、五つの目標についてであります。 第5次中津市総合計画では、暮らし満足No.1のまち「中津」を将来都市像とし、それぞれの住民のライフステージに応じて五つの基本目標を掲げています。この目標は、各ライフステージにおける暮らし満足を象徴的に表現しているもので、その実現に向けて、安心・元気・未来の各分野において具体的な政策を展開いたしています。 そのため、基本目標と具体的政策が必ずしも1対1で対応するわけではありませんけれども、関係するその中でも主要な施策の内容についてお答えを申し上げます。 子どもの教育の面では、知──確かな学力・徳──豊かな心・体──健やかな体、知・徳・体と変化の時代を生き抜く総合力をバランスよく育み、将来地域社会で活躍できる人材育成に取組んでいます。 具体的には、小中学校の学力向上の取組みはもとより、地域の歴史文化や産業などを学ぶふるさと教育、また1人1台のタブレット環境を生かしたデジタル教育などにも積極的に取組んでいます。また、各種スポーツ教室やオリンピックデーランなど、子どもたちがプロのアスリートや指導者に触れる機会を通じて、スポーツ振興や青少年の健全育成を図っています。 雇用の面では、企業立地促進のための助成制度を平成28年度に創設したことにより、自動車関連企業をはじめとして好調な企業立地が続き、昨年度末までに、59件の立地、580億円の設備投資、1,599人の新規雇用が創出されています。昨年3月には、市内に9年ぶりとなる映画館もオープンしたところです。 企業立地による新たな雇用の創出と設備投資は、地域経済の活性化に大きく寄与しており、中津市が人口の社会増を維持している大きな要因の一つと言えます。 子育て世代への支援では、周防灘地域定住自立圏域の自治体と協力して、365日対応可能な小児救急センターを運営するとともに、中学生までの子ども医療費助成を行っています。また、屋内の遊び場「なかつ・こどもいきいきルーム」や、大貞総合運動公園「なかつ・わくわくふれあい広場」や米山公園のびのびパークの大型遊具、幅広い年代の子どもが利用できる村上記念童心館などを整備し、子どもの居場所づくりや親子が触れ合う場づくりを進めるなど、子育て環境の充実を図ってきました。さらに、病児・病後児保育サービスの充実や、子の看護休暇制度を創設する企業への支援などにより、子育てと仕事の両立支援にも取組んでいます。 よって、中津市の合計特殊出生率が比較的高い水準を維持している主な要因として、若者の雇用と子育て世代への支援という両面で環境が整っていることがあると言えます。 次に、高齢者福祉の面では、交流の場としてのサロンや「元気!いきいき週一体操教室」などの拡大を図っており、こうした場に多くの高齢者が参加することで、心身ともに健康的な生活が送れるよう支援を行っています。 また、住み慣れた地域でいつまでも安心して過ごすことができるよう、医療と介護の連携や地域での見守りネットワーク体制の構築を図っています。生活機能の維持として、民間業者が撤退した地域での買物支援のほか、コミュニティバス運行による住民の移動手段の確保などにも取組んでいます。 共生社会の実現の観点からは、高齢であっても元気な方に現役として働いていただくシルバー人材センターや、趣味や教養の幅を広げる生涯学習の場の提供など、高齢者がそれぞれに生きがいを持って活躍できる場を広げる取組を進めるほか、女性の起業・創業支援や、女性が働きやすい環境を整備する企業への支援、ユニバーサルデザインに配慮したホームページや印刷物の作成、いわゆる手話言語条例の制定などにも取組んできました。 また、郷土愛の醸成に関しては、子どもの教育の取組みでも申し上げましたとおり、小中学校において地域の歴史文化や産業などを学ぶふるさと教育に取組んでおり、中津市歴史博物館を活用した学習や、「学びんぴっく」などを通して、自分の住む地域について知識を深める機会を提供いたしています。 なお、新たなシンボルマークをつくることについてでございますが、これまでにも観光のキャッチフレーズとして「な活」や日本遺産のコンセプトとして「耶馬渓spirits」、また、食品のブランド化のため中津商工会議所が商標登録をした「中津からあげ」など、テーマに応じたキャッチフレーズやマークなどの周知を図ってきたところであります。 今後、やはり地域に誇りや愛着を感じる象徴として新たなシンボルマークを作成しようと、そういう機運が高まったときには、住民と一緒になって取組んでまいりたいと思います。一つの方法としてあり得ると思っています。 今、申し上げました取組をはじめといたしまして、住民やあらゆる主体と連携・結集し、さまざまな施策を総合的に進めていくことにより、住民の暮らし満足を高め、中津市の将来都市像である暮らし満足No.1のまちの実現、住みたい、帰りたい、行ってみたいまち、人や企業を惹きつける磁力──磁石の力を持ったまち、中津を実現していきたいと考えています。 以上であります。 ○議長(中西伸之)  以上で、通告による代表質問は終わりました。 これで代表質問を終結いたします。 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれで散会いたします。 △議事終了 午後2時40分上記、会議の経過を記録して、事実と相違ないことを証するため、ここに署名する。 中津市議会議長  中 西 伸 之 署 名 議 員  川 内 八千代 署 名 議 員  須 賀 要 子...